ポテュオ (装甲巡洋艦)

ポテュオ (Croiseur cuirassé Pothuau)

ポテュオは、フランスが建艦した装甲巡洋艦であり、1893年度の海軍整備計画に基づいて「アミラル・シャルネ級」の改良型として建造されました。装甲巡洋艦としての特徴を持ちながらも、船体のサイズを小さくすることでイギリスの防護巡洋艦に対する優位性を維持しています。特に、舷側装甲は薄く設計されていますが、甲板や砲塔、司令塔の防御は厚くなっています。この艦は、長年にわたってフランス軍艦の代名詞とも言えるタンブル・ホーム型船体を最初で最後に採用した装甲巡洋艦です。

艦のデザインと特徴

ポテュオの船体は、フランス海軍が当時採用していたタンブル・ホーム型船体構造であり、水面上部がアーチ型に絞られています。この設計により、艦の重量は軽減され、同時に高い射界を確保しています。艦首のデザインは特に際立っており、艦尾に向かうに従って低く傾斜しています。水線下の艦首や艦尾は突出した形状になっていますが、これにより射撃の際に艦体が視界を狭めることはありません。

艦首には19.4cmの単装主砲塔が1基設置され、司令塔を組み込んだ艦橋からはシンプルなミリタリーマストが立っています。このミリタリーマストは、艦覧場と軽防御の見張り台として機能し、特に水雷艇による奇襲を防ぐための装備でした。マストの上段には二層式の見張り台があり、各方位に速射砲や機関砲が配置されています。また、艦の後部甲板にも19.4cmの単装主砲塔が設置されています。

機関性能

ポテュオの設計は、主にフランスの各港を拠点にして大西洋で活動することを前提にしています。そのため、航続性能は約4,000海里とされ、大西洋上での行動には十分です。機関は、18基のベルヴィール式水管缶と、2基の横置き3段膨張式3気筒レシプロ機関により、最大出力は10,000馬力とされています。この出力は、速力19ノットを発揮できる仕組みです。

防御能力

ポテュオの戦闘能力の根幹は、その防御に見ることができます。舷側には58mmの装甲が施され、艦首から艦尾までの高さ4mを覆っています。また、主甲板は平面部が43mm、傾斜部が84mmの装甲で覆われており、非常に頑強な設計です。さらに、主甲板と弾片防御甲板の間には、石炭で満たされた区画があり、機関区を保護しています。

艦歴

ポテュオは1893年にル・アーヴルのメディテラネ社にて起工され、1895年に進水、1897年に竣工しました。1918年には後檣が撤去され、観測用気球の設備が整理され、翌1919年には主砲塔が高角砲に変更されるなど、艦の役割が変わっていきました。最終的に1929年に除籍され、解体されました。

ポテュオは、フランス海軍の歴史において重要な位置を占める艦であり、その独特な設計や性能は今なお多くの人々の興味を引き続けています。

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