ポラリス (恒星)

ポラリスについての詳細な解説

ポラリス（英：Polaris）は、こぐま座のα星であり、2等星として知られる最も明るい恒星です。現代では北極星としての役割を果たしており、天の北極に非常に近い位置にあります。具体的には、天の北極からの角距離は約44分で、2102年頃まで北極星の地位を維持すると予測されています。

物理的特徴

ポラリスは三重連星系として構成されており、中央の主星Aaとその伴星Abから成る連星系に、薄黄色のF型主系列星Bが2400天文単位の距離で回っています。主星Aaはセファイド変光星であり、これは天体の距離測定の基準として重要視されています。そのため、ポラリスは非常に詳細に観測されてきました。数世代にわたり太陽系からの距離は議論されてきましたが、最近の研究によると約447光年の距離に位置しています。

ポラリスの変光周期は約3.97日で、平均的に±8%の振幅で明るさが変わっていますが、20世紀半ばからその振幅は減少し、1990年代には変光幅が1%まで落ち着いています。また、過去百年で平均光度は約15%明るくなり、変光周期は毎年約8秒延びています。

名称の由来

バイエル名としてα星と名付けられ、フラムスティード名でも「こぐま座1番星」として知られています。ポラリスという固有名はラテン語で「極の」という意味で、北極に近いこの星から名付けられました。2016年に国際天文学連合（IAU）によって正式にポラリスがこぐま座α星Aの固有名として認定されました。

この星は16世紀から北極星として知られ、「極の星」や「北の星」としての名称が与えられ、各国でも同様に「北極星」を意味する名前で呼ばれています。英語圏では「The North Star」と呼ばれることが多くなりましたが、固有名のポラリスも広く使われています。

他の文化における名称

ポラリスは中国では勾陳（こうちん）という星座の一部とされ、特に注目されていませんでした。日本では様々な名称があり、「北の星」や「妙見」など、多くの地域で独自の呼び名が存在しています。

ポラリスの探索

北極星であるポラリスを見つける方法は数点存在します。最も知られている探し方は、北斗七星の二星を結び、その延長線上に位置するという方法です。また、カシオペヤ座を利用した探し方もあり、W字形の星座の中での位置をたどっていく方法があります。

伝承とポラリス

ポラリスには、不動の星という特性から多くの伝承が残っています。特に日本では、ポラリスがわずかに動くとする民間伝承も存在しており、これに基づく様々なストーリーが語り継がれています。これらの伝承は、歴史的には1800年代頃から広まったと考えられ、ポラリスの位置が変化することを示唆するものでした。

ポラリスは、観測における特異性や神秘性により、古代から現代に至るまで多くの文化に影響を与えてきました。

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