ポルッカラ

ポルッカラ半島

ポルッカラ半島は、フィンランド南部のキルッコヌンミに位置し、フィンランド湾に突き出た特徴ある地形を持っています。この半島は非常に戦略的な位置にあり、フィンランド湾の約半分までの砲撃が可能であるため、歴史的に見ると重要な軍事拠点として利用されてきました。最も近いエストニアとの距離はわずか36kmで、違う勢力がこの地点を支配することで、サンクトペテルブルクとバルト海の間の海軍の通行を遮断することができるのです。さらに、ヘルシンキからは約30kmの距離にあり、ここを勢力下に置く国はフィンランド政府に対して強い影響を与えることができます。

自然観察

現在、ポルッカラ半島は、その美しい自然環境のおかげで、多くの野鳥観察者に人気があるスポットとなっています。春には北極圏に生息するガン類や水鳥が渡ってきており、さまざまな野生動物を観察することができます。美しい海岸線と自然豊かな環境は、訪れる人々にとって魅力的な体験を提供しています。

歴史

ポルッカラ半島の歴史も非常に興味深いものです。第二次世界大戦の終結にあたる1944年9月19日、ソビエト連邦とフィンランドはモスクワ休戦協定に合意しました。これにより、ソビエト連邦はポルッカラの海軍基地を借り受ける権利を得ました。この半島は、冬戦争後のモスクワ講和条約に基づいて1940年から借用されていたハンコ半島の海軍基地に取って代わることとなりました。

1944年9月29日から、ポルッカラ周辺の地域はソビエト連邦に貸与され、ネオン・ワヴァシリエヴィチ・アントノフ司令官のもとで軍政が行われました。アントノフは1945年6月までこの地に滞在しており、その後はソ連軍のアムール小艦隊の指揮を執りました。1944年の休戦によって、この地域は50年間ソ連に租借されることが決まり、1947年にはパリ条約で再びこの地域へのソ連の占有権が確認されました。

この間、ポルッカラは文民政府の管理下には置かれず、軍司令官を通じて管理されました。初代の司令官であったセルゲイ・イワノヴィッチ・カバロフは、1956年1月26日までこの役職を継続しました。この期間、ヘルシンキとトゥルクを結ぶ旅客列車はポルッカラを通過することが許されましたが、列車の窓にはよろい戸が設けられ、写真撮影は禁じられていました。

ソ連によるポルッカラの租借は50年間とされていましたが、双方はより早く返還することに合意しました。この合意は休戦からちょうど11年後の1955年9月19日に結ばれ、1956年1月26日には正式に半島の支配権がフィンランドに戻りました。この早期返還の要因には、フィンランドの国際的な立ち位置やテクノロジーの進展に伴う沿岸砲の旧式化、またフルシチョフ政権下でのスターリニズムの終焉が挙げられます。

ポルッカラ地域は現在、半島内部ではないものの、近郊のウピンニエミがフィンランド海軍の主要基地として機能しています。ポルッカラ半島はその歴史的背景と自然の美しさから、今でも人々を魅了し続けています。

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