ポルトガル空軍

ポルトガル空軍について

ポルトガル空軍（Força Aérea Portuguesa、FAP）は、ポルトガルの国防を担う重要な軍事組織であり、その起源は1912年に設立された陸海軍の航空隊にさかのぼります。空軍としての独立は1952年7月1日に実現し、陸軍航空隊と海軍航空隊が統合されて新たな軍種として誕生しました。

歴史的背景

ポルトガルの航空隊の歴史的な始まりは、1911年に設立された気球中隊にあるとされています。これは陸軍の電信部隊の一部として始まり、後に少数の航空機が配属されました。第一次世界大戦においては、ポルトガルは連合国側として参戦しましたが、戦闘用航空機を保有していなかったため、数名のパイロットがフランス軍航空隊に参加する形となりました。

1918年には航空隊が正式に設立され、同時にAlvercaに飛行学校が開校されます。1949年には北大西洋条約機構（NATO）に創設メンバーとして加盟し、1952年に独立した空軍としての体制が確立されました。

1960年代には、植民地であったアンゴラ、ギニアビサウ、モザンビークでの紛争に活動し、1974年にはクーデターにも関与しました。1975年までに植民地が独立すると、空軍は大規模な再編を行い、1974年時点で850機存在していた航空機の数は、1976年には三分の一に減少しています。1990年には、アメリカから最新のF-16A/B攻撃機の導入を決定し、1994年にはその引き渡しが始まりました。これに加え、ポルトガル空軍は、通常海軍が運用することが多いP-3P哨戒機も保有しています。

組織構成

ポルトガル空軍は主に三つの組織に分かれています。2007年の時点で現役の人員は7,100人を数え、戦闘機パイロットの年間平均飛行時間は180時間です。主な構成は以下の通りです。

• - 空軍人事集団（CPFA）
• - 空軍作戦集団（COFA）
• - 空軍兵站管理集団（CLAFA）

空軍は空軍参謀総長（CEMFA）をトップに置き、その下には各種の管理組織が配置されています。空軍参謀本部は、戦略的意思決定を行う最高機関として機能しており、空軍のさまざまな部門を統括しています。

特に、空軍作戦集団は実戦部隊の運用に関与し、領空の警備や計画、兵装システムの管理を担当しています。主要な空軍基地には、リスボン県の第1航空基地やモンテ・リアルの第5航空基地などがあり、各施設は専門の飛行隊によって運営されています。

所有機材と兵装

ポルトガル空軍はさまざまな航空機を運用しています。以下は主な機材の一部です。

• - F-16A/B戦闘機
• - P-3P哨戒機
• - C-130H輸送機
• - CASA C-212輸送機

また、空対地ミサイル（AGM-65B/GマーベリックやAGM-84Aハープーン）と空対空ミサイル（AIM-9LサイドワインダーやAIM-120アムラーム）なども装備しています。これにより、ポルトガル空軍は多様な任務に対応できる能力を持っています。

結論

ポルトガル空軍は、その歴史的な経過とともに、国防における重要な役割を果たしてきました。最新の技術と装備を取り入れ、今後もその運用能力を高めていくことでしょう。

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