ポルトガル領ティモール

ポルトガル領ティモールの歴史

ポルトガル領ティモール、またの名をTimor Portuguêsは、かつて東南アジアに存在したポルトガルの植民地であり、現在の東ティモールに該当します。この植民地は1515年から1975年まで続き、その間ポルトガルはティモール島をオランダ領東インドと分けて統治していました。

初期の歴史

ポルトガル人がこの地域に初めて到達したのは16世紀中頃で、1556年にはドミニコ会の修道士がリファウという村を設立しました。1702年には、アントニオ・コエーリョ・ゲレイロが初代総督としてリファウに派遣され、ここが小スンダ列島におけるポルトガルの保護領の主都となりました。この初期の頃は、ポルトガルによる統治が完全ではなく、特に内陸の山岳地域ではその傾向が強く見られました。

ポルトガルの統治地域では、住民は現地の部族長に頼ることが多く、外部からの管理はほとんど行われていなかったため、ディリの周辺以外はポルトガルの支配が限られました。19世紀後半に入ると、ティモールは交易所として利用され、ビャクダンやコーヒーが主要な輸出品となっていましたが、教育やインフラへの投資はほとんど行われず、ポルトガルの法律も適用される地域では暴政や搾取が広がりました。

オランダとの対立

1767年には、オランダがティモール島の残りの部分を攻撃し、このためにポルトガルは首都をディリに移さざるを得なくなりました。1859年にはリスボン条約により、ポルトガル領ティモールとオランダ領東インドとの境界が正式に決定され、1916年には最終的な境界線が定められました。これによって、現在のインドネシアと東ティモールの国境が決まったのです。

20世紀の変遷

20世紀初頭には、ポルトガル本国の経済が悪化し、植民地からさらに資源を搾取する方針が強まりました。第二次世界大戦の際、ポルトガルは中立を維持しましたが、1941年には日本軍に対する警戒からオランダ軍とオーストラリア軍がティモールを占領しました。連合軍がこの地域で抵抗したものの、日本は1942年に全島を占領し、その状態が続きました。

1943年ごろまで、連合国軍はゲリラ戦を展開し、地元住民も巻き込まれる戦闘が起きましたが、連合国の圧力と食料不足が重なり、ティモール人の多くが命を落としました。1945年、日本の撤退後、ティモールはポルトガルの影響下に戻りましたが、オランダ領東インドは既に独立していました。

独立への道

1975年になって、ポルトガル領ティモールは東ティモール民主共和国として独立を宣言しましたが、すぐにインドネシアが侵攻し、併合を試みました。この事態には国際連合も介入し、併合は承認されませんでした。最終的に、1999年にインドネシアはテリモールから撤退し、2002年に正式に東ティモールは独立を果たしました。

この植民地の後期には、ポルトガル領ティモール・エスクードが流通していましたが、インドネシアに併合された後はルピアが使用されたのです。

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