ポロキメン

ポロキメンの概要

ポロキメン（ギリシア語: Προκειμενον、英語: prokimen）は、正教会の奉神礼において重要な役割を果たす祈りの文句です。この言葉は日本正教会では「提綱」という漢字が当てられていますが、実際にはほとんどの場合「ポロキメン」と呼ばれています。この祈りは、特に晩課や早課、聖体礼儀における多くの祈祷の中で用いられます。

ポロキメンの形式

ポロキメンは、通常、輔祭、誦経者、または堂役と呼ばれる役職者が最初に短い句を唱え、これに対して聖歌隊が応じる形で進行します。これらの句は多くの場合、聖詠（詩篇）から選ばれ、その祭日のテーマや当日に読まれる聖書の内容に関連しています。これにより、信者は祭日の意味や聖なるメッセージに導かれることが目的とされています。

聖体礼儀におけるポロキメンの例

具体的な例として、聖体礼儀中に用いられるポロキメンの第一調が挙げられます。この形式では、輔祭が「謹みて聴くべし」と言い、司祭が「衆人に平安」と応じます。その後、輔祭または誦経者が「ポロキメン。主よ、我等爾を頼むが如く、爾の憐を我等に垂れ給へ。」と宣言し、聖歌隊が同じ句で応えます。このやり取りは信者にとって、神との深い結びつきを実感する瞬間です。

さらに、輔祭は2つの異なる句を唱えることもあります。「主よ、我等爾を頼むが如く、爾の憐を我等に垂れ給へ。」という句の後に続いて「義人よ、主の爲に喜べ、讚栄するは義者に適ふ。」が続きます。聖歌隊は第一の句に応じ、その後、輔祭と聖歌隊が分かれて最初の句を再度唱えます。このように、ポロキメンは詩的な形式を持ち、深い感情が込められています。

プロキメンの旋律

ポロキメンには八種類の「調」があり、それぞれに特定の旋律が決められています。これにより、各ポロキメンは歌として表現され、神聖な空間での賛美を一層引き立てます。

ポロキメンの重要性

ポロキメンは、正教会の奉神礼において、祈りや瞑想の一環として非常に重要な役割を担っています。信者が神との関係を深め、共同体の一員としての意識を高める助けとなる定期的な儀式です。この短い祈りが実際に生活の中でどのような意味を持ち、いかに神聖な瞬間を作り出すのかを理解することは、正教会の精神的な旅において欠かせない要素となります。

参考文献

• - 『時課経』平成10年再版、日本ハリストス正教会教団

外部リンク

• - Cyril' Page イコンの在る世界（ポロキメンも含む正教会の祈祷文の掲載）

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