ポンティアック M39

ポンティアック M39：リヴォルヴァーカノンの歴史と特徴

ポンティアック M39（Pontiac M39）は、アメリカのフォード・モーター社が設計した20mm口径のリヴォルヴァーカノンです。この機関砲は、第二次世界大戦の最末期に存在したドイツのマウザー社が開発したMG 213Cに影響を受けています。MG 213Cはリヴォルヴァーカノンという新しい機構を持つ機関砲の草分けであり、その技術を基にアメリカが独自に発展させたのがT-160機関砲です。アメリカ陸軍と空軍によっては、T-160の制式名称としてM39が付与されました。

機能と運用

M39は5つの薬室を持ち、特に韓国戦争中にF-86 セイバー戦闘機への搭載を通じて実戦環境での評価が行われました。1953年から運用試験が始まり、その後F-86H ホッグセイバー、F-100 スーパーセイバー、F-101 ブードゥー、F-5A/B フリーダム・ファイターといった多くの航空機に標準装備されました。総生産数は35,500門以上にのぼると言われています。

しかし、1958年に登場したF-104 スターファイターには新たに開発されたM61 バルカンが一部採用されるようになり、M39は次第に搭載機が退役することで姿を消していくこととなりました。とはいえ、M39はその稼働部品が少なく、整備の容易さも併せ持っており、F-5A/Bの改良型であるF-5E/F タイガーIIでは改良型のM39A2が搭載されました。この改良型は、現在もアメリカ国外で多くの機体に使用されています。

台湾でのライセンス生産

台湾では、ポンティアック M39をT75としてライセンス生産し、自国のF-5戦闘機に搭載するとともに、低高度防空兵器や地対地射撃用としても利用されています。APDS弾を使用することで、200メートルの距離でRHA換算で45mmの装甲を貫通する能力を持つことも特筆に値します。

一時はTIFVの主兵装として搭載される予定もありましたが、他国の歩兵戦闘車が搭載する30～40mmクラスの機関砲と比較して、その威力に不足を感じたことと、排莢不良が発生した場合には手動でしか強制排莢ができない問題もあり、2017年から2021年にかけてMk 44 ブッシュマスター II　30mm機関砲が導入されることとなりました。

改良型と試作

さらに、フォード社では発射速度を2,500発毎分に引き上げた改良型のFord Tiger Crawも試作されましたが、制式採用に至ることはありませんでした。このモデルは、F-20 タイガーシャークに搭載される予定でしたが、最終的には採用されることなく終わったのです。

M39に関しては、その設計から運用実績、現代における改良型の導入に至るまで、多くの貢献があったと評価されています。これは、その性能や汎用性からも多くの国での使用に繋がっています。

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