ポーション (ファイナルファンタジー)

ファイナルファンタジーのポーション：ゲームと現実の狭間で

「ポーション」は、スクウェア・エニックスの代表作であるファイナルファンタジーシリーズに登場する、おなじみの回復アイテムです。ゲーム内では、主にキャラクターのHPを回復するアイテムとして登場しますが、その形態や使用方法はシリーズによって様々です。

ゲーム内でのポーション

本来、ポーションは「一服分の薬」を意味する言葉ですが、ファイナルファンタジーシリーズでは「ポーション」という単語自体が「HPを少量回復するアイテム」を指す固有名詞として扱われています。この基本的なポーションに加え、より回復量の多い「ハイポーション」や「エクスポーション」といった上位アイテムも存在します。また、HP回復のポーションに対して、MPを回復させる「エーテル」や、HPとMPを全回復させる「エリクサー」といった関連アイテムも、シリーズを通して登場します。

ゲーム内のポーションは、必ずしも飲み薬として登場するわけではありません。シリーズによっては、患部に塗る塗り薬であったり、球体状の謎のアイテムとして描かれたりすることもあります。以下に、いくつかの例を挙げます。

塗り薬：『FFI』では、ポーションは塗り薬として登場し、使用時には「だれに　ぬったげましょか？」というメッセージが表示されます。
飲み薬：『FFIII』では、ポーションは飲むことで回復する設定で、専用のボトルに入っています。『チョコボの不思議なダンジョン』では、モーグリが飲んで使用したり、「のむ」というコマンド名が表示されたりします。これらの作品では、ポーションはフラスコ状のボトルに入っていることが多いです。
不明な形状：『FFIV』では、ポーションは「謎の球体」としてデザインされています。また、『FFVII』では作品によってポーションの形状が異なり、球体として描かれることもあります。

清涼飲料水としてのポーション

2006年、サントリーフーズはスクウェア・エニックスとのコラボレーションにより、ファイナルファンタジーシリーズに登場する「ポーション」をイメージした清涼飲料水を数量限定で発売しました。これは、ゲーム作品『ファイナルファンタジーXII』に登場するアイテムという設定で、サントリーはスクウェア・エニックスとライセンス契約を締結し、飲料化の権利を得ました。このポーション飲料は、以下の2種類が販売されました。

通常版：内容量120ml、価格200円。鉄骨飲料の色違いのような瓶に、「FINAL FANTASY XII POTION」と書かれたラベルが貼られています。
プレミアムボトル：内容量100ml、価格630円（300万セット限定）。ラベルがなく、通常版よりも小ぶりで形状の異なる瓶に入っています。プレミアムボックスには、飾り栓とアートミュージアムカードが同封されています。

配合と味

この飲料は、FFXII開発スタッフ監修のもと、エルダー、カモミール、セージなど10種類のハーブを配合し、独特の風味を持つ爽やかな味わいを実現したとされています。しかし、実際に飲んだ人の感想としては、栄養ドリンクや風邪シロップのような味で、独特の強い香りや後味が残ると評されることが多いです。中には、ファンデーションのような香りがするという意見や、サントリーのカクテル飲料「スカイブルー」に似ているという意見もあります。

評価

ポーション飲料は、最初からコレクターズアイテムとしての意味合いが強く、味は二の次という商品でした。しかし、そのインパクトのある味は、良くも悪くも話題を呼び、数量限定販売にも関わらず、またたく間に完売しました。その人気は高く、現在でもインターネットオークションなどで取引されています。

ファイナルファンタジーVII ポーション

2007年には、「FINAL FANTASY VII」の10周年記念として、「FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY POTION」が発売されました。このポーションは、「神羅カンパニー」社製という設定で、キャップに「神羅カンパニー」のロゴが入っています。また、缶にキャラクターがデザインされたものや、キャラクターフィギュア付きのポーションも発売されました。これらのポーションは、FFXIIポーションと比較して、より一般的な炭酸飲料に近い味で、かすかにハーブの香りがする程度でした。また、ゲーム本編におけるライフストリームを意識した着色がされており、ブラックライトを当てると黄緑色に発光します。

FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY POTION：内容量100ml、価格3790円。77,777セット限定で、「FINAL FANTASY VII 10th ANNIVERSARY ULTIMANIA」が付属。
FINAL FANTASY VII POTION キャラクター缶：内容量350ml、価格191円。缶にキャラクターをデザインした炭酸飲料で、全16種類。
FINAL FANTASY VII POTION with TRADING ARTS Mini：内容量350ml、価格934円。キャラクターフィギュア付きの炭酸飲料で、全8種類。フィギュアはランダムでセット。

過去の商品化例

ポーションという名前を冠した商品としては、2001年と2002年にデジキューブから発売された音楽作品「POTION：Relaxin' with FINAL FANTASY」があります。これは、過去に発売されたアレンジバージョンやピアノコレクションから「癒し」をテーマに選曲した作品集です。第2弾として、「POTION 2: Relaxin' with Final Fantasy」も発売されています。


ファイナルファンタジーのポーションは、ゲーム内のアイテムという枠を超え、様々な形で現実世界に影響を与えました。その独特な存在感は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。

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