ポータリヤ経

ポータリヤ経

『ポータリヤ経』（ポータリヤきょう、巴: Potaliya-sutta）は、パーリ仏典の経蔵中部に収録されている第54経です。この経典は、漢訳名で『哺多利経』（ほたりきょう）とも知られ、類似の経典には『中阿含経』に収められた第203経「晡利多経」があります。ここでは、釈迦がアンガ国のアーパナ村においてポータリヤという人物に教えを説いた様子が描かれています。

構成と登場人物

この経典には、主に釈迦とポータリヤという二人の登場人物が含まれています。時代背景として、釈迦がアンガ国のアーパナ村に滞在していたとき、ポータリヤという名の人が訪れました。彼は捨断に関する問いを持っており、この重要なテーマについて釈迦に教えを請います。

釈迦の教え

釈迦はポータリヤの問いに対して、まず比丘の八戒について説明を始めます。八戒は仏教における修行者が守るべき重要な規範であり、これを実践することで精神的な成長が促されるとされています。さらに、五つの喩えを通じて、物事の本質や理解の重要性についても語ります。釈迦はこのようにして教え、三明にも触れます。

三明とは、正しい知識や真理に至るための3つの知恵を指し、この知恵を持つことで釈迦の教えをより深く理解することが可能になります。ポータリヤは釈迦の教えを受けて非常に感銘を受け、法悦を感じます。

帰依の誓い

ポータリヤは釈迦に大いに感銘を受けた結果、三宝への帰依を誓い、仏教徒としての道を歩むことを決意します。この帰依は、仏教徒にとって非常に重要な決断であり、釈迦の教えに従い、正しい生活を送ることの指針となります。

日本語訳

『ポータリヤ経』の日本語訳は、"南伝大蔵経・経蔵・中部経典2"（第10巻、出版元：大蔵出版）や、"パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇I"（翻訳：片山一良、大蔵出版）、さらに"原始仏典 中部経典2"（監修：中村元、春秋社）など、複数存在します。これらの訳は、釈迦の教えを現代の読者に伝える貴重な資料となっています。

参考資料

本経典に関する詳細な情報や他の関連項目にアクセスする場合、以下のリンクを参照してください。 Tipitaka.orgや、Thanissaro Bhikkhuによる"Potaliya Sutta: To Potaliya (excerpt)"があります。これらの情報は、ポータリヤ経の理解を深める手助けとなるでしょう。

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