ポーツマス海軍基地

ポーツマス海軍基地の概要

ポーツマス海軍基地（HMNB Portsmouth、HMS Nelson）は、イギリス海軍の三つの主要軍港の一つであり、特にその歴史は非常に豊かです。基地はポーツマス市のポーツマス入り江の東岸、ソレント海峡に面し、ワイト島の北側に位置しています。この基地は、乾ドックの発祥地とされ、多くのイギリス水上艦隊の艦船がここを拠点にしています。具体的には、イギリスの水上艦隊の約2/3がこの港で運用されています。

ポーツマス海軍基地の重要性は歴史的な背景から来ており、何世紀にもわたってブリテン島の防衛と歴史において中心的な役割を果たしてきました。特に、基地が最盛期を迎えていた時代には、世界最大の工業地域の一つとしても知られていました。このように、ポーツマスは地政学的にも非常に重要な地点なのです。

基地内では、造船や補修を手掛けるVTグループやフリート・サポート・リミテッドといった企業が活動しています。これにより、艦船に対する必要な保守作業や補給を効率的に行う体制が整えられています。また、基地は艦船乗員の陸上生活を支援するための各種施設を備えており、乗員の生活基盤を支える役割も担っています。

博物館と展示

ポーツマス海軍基地には訪問者向けの多様な博物館も存在します。特に注目すべきは、メアリー・ローズの遺物や歴史的な戦列艦ヴィクトリー、さらに装甲艦ウォーリアといった、名だたる展示物が揃っている点です。これらの展示物は、イギリス海軍の豊かな歴史や技術の進歩を伝えるものであり、多くの観光客や歴史愛好者にとって魅力的な場所となっています。

近年の発展

近年では、ポーツマス海軍基地は重要な造船拠点としての役割も持っています。2008年にVTグループはBAEシステムズ・サーフェス・シップスに統合され、その後の活動もBAEシステムズの管理下で行われています。ポーツマスのドックでは2010年から2012年にかけてクイーン・エリザベス級航空母艦の下部ブロック02の建造が行われ、2014年には2番艦のプリンス・オブ・ウェールズの下部ブロック02の建造も担当しました。その後、下部ブロック03との組み立ても行い、ポーツマス海軍基地は現在もイギリス海軍の重要な造船の中心地として機能しています。

このように、ポーツマス海軍基地は単なる軍港に留まらず、豊かな歴史を持つ文化的なスポットとしても、そして現代の海軍作戦を支える重要な拠点としての役割も担っています。

もう一度検索