ポートスーダン

ポートスーダンの概要

ポートスーダンは、スーダンの紅海州に位置する州都であり、約394,561人が住んでいます（2008年国勢調査）。この都市は2023年8月に、アブドゥルファッターハ・アブドッラフマーン・ブルハーン率いる政府がハルツームから移転したことにより、臨時の首都としての役割を果たしています。

この都市は紅海に面しており、スーダンにとって欠かせない重要な港湾都市です。ポートスーダンが造られる前、この地域の主要港であったスワーキン港は、サンゴ礁の発展により商船が出入りしづらくなっていました。そこで、1906年に新たな港としてポートスーダンが設立されました。また、同年にイギリスによって敷設されたスーダン鉄道の終点でもあり、紅海とナイル川を結ぶ重要な輸送路の一部を担っています。この鉄道は、ナイル川沿岸に広がる農場からトウモロコシや綿花などの農産物を輸出するために利用されてきました。

ポートスーダンには新国際空港もあり、交通の要所となっています。美しいビーチと素晴らしいダイビングスポットがあるため、観光客の間でも人気があります。さらに、紅海を挟んでサウジアラビアのジッダへの出発点ともなっており、国際的な交通の中心地としての役割も果たしています。

2023年、スーダンでは戦闘が活発化し、首都ハルツームの空港が機能しなくなった際、ポートスーダンの港および空港が国外へ脱出するルートとして注目を集めました。多くの日本人は陸路でポートスーダンに移動し、その後自衛隊機を利用してジブチへ向かいました。また、即応支援部隊（RSF）がハルツームの大部分を制圧したことにより、ブルハーン政権はポートスーダンへの避難を余儀なくされました。

石油産業

ポートスーダンは、石油産業においても重要な役割を果たしています。1977年には、ハルツームへ石油を送るパイプラインと製油所が完成し、輸入された原油を処理し内陸への輸送を行っていました。しかし、1990年代以降、スーダン内陸部での油田開発が進んだ結果、大規模なパイプラインの再敷設が行われ、石油は今や内陸部から海岸部へ輸送されるようになっています。この変化により、ポートスーダンはかつての輸入港から輸出港へと変わりつつあります。

ポートスーダンは、いくつもの顔を持つ魅力的な都市であり、経済や交通の拠点であると同時に、観光地としてもその名を広めています。今後の発展にも期待が寄せられる場所です。

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