ポーランド海軍

ポーランド海軍

ポーランド海軍（ポーランド語: Marynarka Wojenna, MW）は、ポーランドの軍隊の海上部隊であり、現在は約160隻の艦艇と12000人以上の軍人を抱えています。この海軍はバルト海での活動において着実に存在感を示しており、歴史的にはイラク戦争にもアメリカの同盟国として参加しました。

海軍の歴史

ポーランドの海軍の起源は古く、元々は陸軍に重きを置いていた国でしたが、河川を介した通商や交易を守るために、小さな艦隊が整備されていました。特に、13年戦争ではドイツ騎士団に勝利し、グダンスクを獲得したことで、海軍の整備が進むきっかけとなりました。1561年のモスクワ大公国との戦争においても勝利し、新たな海軍の拠点をリガに設置しました。

1627年のスウェーデン・ポーランド戦争ではリトアニアとともにスウェーデンを破り、大西洋へ進出するチャンスを得ましたが、最終的には敗北に終わり、海軍力を活かす機会を失いました。その後、ポーランドはロシア帝国、プロイセン、オーストリアに分割され、海軍の活動は大きく制約されました。

ポーランドが再び独立を支持されたのは第一次世界大戦後の1918年で、この年に近代的なポーランド海軍が設立されました。フランスやオランダ、イギリスから艦船を調達して艦隊を整備したものの、経済状況が厳しかったために海軍の拡張は難航しました。1939年にはナチス・ドイツとソ連による侵攻を受け、再び独立を失いました。しかし、英軍との連携を通じていくつかの艦艇が連合軍と共に戦いました。

第二次世界大戦後、ポーランドは再び独立を回復し、ソ連の影響下でワルシャワ条約機構の一員として独自の艦艇運用を行いました。その後、ソ連崩壊を経て北大西洋条約機構（NATO）へ加盟し、西側の艦船を運用するようになり、現在では東西の艦艇を組み合わせて使用しています。

組織構成

ポーランド海軍は、主に3つの小艦隊と航空旅団から成り立っています。

• - 第3小艦隊: グディニャを拠点とし、打撃任務を担っています。
• - 第8沿岸防衛小艦隊: シフィノウイシチェに位置し、掃海および対潜任務を行います。
• - 第9沿岸防衛小艦隊: ヘルを拠点とし、こちらも掃海・対潜任務を担当しています。
• - 海軍航空旅団: グディニャに集まるヘリコプターおよび航空機部隊です。

軍の階級も多岐にわたり、士官、将官、佐官、尉官など様々な階級が存在します。士官の最高位である大将は「Admirał」と呼ばれ、続いて中将、少将、准将が続きます。

艦艇および装備

ポーランド海軍は様々な艦艇を保有しており、潜水艦、フリゲート、コルベット、掃海艇、支援艦艇などが含まれます。潜水艦の中にはコッベン級やキロ型があり、フリゲートには旧アメリカのO・H・ペリー級が用いられています。また、新たにAH140プロジェクトのフリゲートも建造予定で、2028年から2029年にかけて就役する見込みです。

空中には、哨戒機や輸送機のM28や、AW101やカマンSH-2Gシースプライトといった多様なヘリコプターを運用しています。これらの装備は、ポーランド海軍の運用能力を向上させる重要な要素となっています。

継続的な艦艇の近代化を進めるポーランド海軍は、国際的な海上安全保障の場において重要な役割を果たしています。

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