ポーリン温泉

ポーリン温泉：ボルネオ島の秘境に湧く癒しの湯

ポーリン温泉（Poring Hot Spring）は、マレーシアのボルネオ島、サバ州のキナバル自然公園内に位置する温泉地です。現地では「コラム・アイール・パナス・ポーリン（Kolam Air Panas Poring）」とも呼ばれています。この地名は、カダザン・ドゥスン族の言葉で「竹」を意味する「ポーリン」に由来します。

概要

ポーリン温泉は、コタキナバルの北東、ジャングルの中に位置しており、キナバル山の東側、標高約400〜500mの場所にあります。キナバル自然公園の東端に位置し、公園本部からは約40km離れています。近くにはスグッド川が流れています。

元々、地元の人々からは「熱湯が噴き出す恐ろしい場所」と認識されていましたが、太平洋戦争中に日本軍によって開発され、温泉施設が造られました。しかし、現地の人々には入浴の習慣がなかったため、日本軍撤退後はしばらく放置されていました。その後、1970年代から整備が進められ、現在ではキナバル自然公園の一部として、多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。

温泉施設

施設内は庭園風に整備され、個室風呂、プール、露天風呂などが設けられています。水着着用が必須です。露天風呂は複数の小さな浴槽に分かれており、各グループが専用の浴槽を利用できます。入浴前には、自分で温泉と水の混合を調整し、好みの湯加減にしてから入浴します。

キナバル山登山ツアーとセットで訪れる人も多く、周辺にはロッジやキャンプ場も完備されています。

泉質

ポーリン温泉の泉質は硫黄泉です。源泉温度は49〜60℃と高温です。

周辺施設

温泉周辺には、熱帯雨林の中を散策できる自然観察路が整備されています。特に人気なのは、地上30m以上の高さに設置されたキャノピー・ウォークウェイです。全長158mの吊り橋を渡りながら、ジャングルの林冠部を観察することができます。また、この地域は世界最大の花として知られるラフレシアの自生地としても有名で、ラフレシア探索ツアーも開催されています。

アクセス

ポーリン温泉へは、コタキナバルから車で約2時間から2時間半でアクセスできます。

まとめ

ポーリン温泉は、マレーシア、ボルネオ島の自然豊かな環境の中で、温泉とジャングル散策の両方が楽しめる魅力的な場所です。キナバル山登山と合わせて訪れるのがおすすめです。歴史と自然が織りなす独特の雰囲気をぜひ体験してみてください。

参考情報

中安均、浅間茂『ボルネオ島 キナバル山の鳥』文一総合出版〈海外バードウォッチング1〉、1996年。
(英語) Poring Hot Spring, eTawau.com, (2022-04-09), https://www.etawau.com/Geography/Sabah/2_WestCoastDivision/Ranau_District/Poring_Hot_Spring.htm

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