シュラプネル・レコーズ

シュラプネル・レコーズは、アメリカ合衆国を拠点とするヘヴィメタル専門のインディーズレーベルです。創始者はギタリスト発掘の才覚に長けたマイク・ヴァーニー。

歴史

1980年代、シュラプネル・レコーズは速弾きブームの先駆的な存在として知られました。1982年、ヴァーニーは当時17歳だったイングヴェイ・マルムスティーンを発掘し、『Guitar Player』誌のコラムで紹介。さらに彼を渡米させ、自身が契約していたスティーラーに加入させますが、イングヴェイは後にバンドを脱退し、シュラプネルには結局所属しませんでした。

しかし、ヴァーニーの才能はそこで終わらず、その後も様々な技巧派ギタリストを発掘し続けました。トニー・マカパイン、ヴィニー・ムーア、マーティ・フリードマン、ジェイソン・ベッカー、リッチー・コッツェン、ポール・ギルバートなど、今日のヘヴィメタルシーンに多大な影響を与えたプレイヤーたちが、シュラプネルから巣立っていきました。

1990年代に入ると、グランジやオルタナティブ・ミュージックの台頭によりヘヴィメタルシーンは衰退し、シュラプネルもかつての勢いを失います。ヴァーニーは、マイケル・シェンカーや活動を休止していたジェイク・E・リーにカヴァーアルバムの制作を依頼するなど、試行錯誤を重ねますが、必ずしもうまくいきませんでした（ジェイク・E・リーは制作を「作りたくなかった」とコメントしています）。

2000年代以降、ヨーロッパを拠点とするスパインファーム・レコードやニュークリア・ブラストといったメタルレーベルが台頭し、有力バンドを多数抱えるようになります。一方、シュラプネルは黄金期を支えた多くのアーティストがレーベルを離れ、新たな才能の発掘も困難となり、かつての権威は失われていきました。

その一方で、ヴァーニーはプログレッシブ・ロック専門のレーベル、マグナ・カルタ・レコードを発足させました。シャドウ・ギャラリー、カイロ、マジェランなどのバンドを発掘し、2000年代にはデイヴィッド・リー・ロスやスティーヴ・スティーヴンスらの作品もリリースしています。

かつてはアポロン音楽工業、ロードランナー・ジャパン、キングレコードなどが日本盤CDを販売していましたが、現在は一部を除き、その多くが廃盤となっています。そのため、日本盤CDの入手は困難ですが、輸入盤CDは現在でも入手可能です。

主な所属ミュージシャン・バンド

ヴィニー・ムーア
ジェイソン・ベッカー
グレッグ・ハウ
ジョー・スタンプ
ジョージ・ベラス
デヴィット・T・チャスティン
マイケル・リー・ファーキンス

かつて所属・活動していたミュージシャン・バンド

アーテンション
ヴィタリ・クープリ
ヴィシャス・ルーモアズ
エキサイター
カコフォニー
マーティ・フリードマン
ジョーイ・タフォーラ
ドライヴァー
トニー・マカパイン
リッチー・コッツェン
レーサーX
ポール・ギルバート
ロン・サール
* など

もう一度検索