ポール・ジョーンズ (DD-230)

アメリカ海軍の駆逐艦ポール・ジョーンズ (USS Paul Jones, DD-230/AG–120)

ポール・ジョーンズは、アメリカ海軍のクレムソン級駆逐艦であり、その艦名は海軍の英雄ジョン・ポール・ジョーンズに由来しています。1919年12月23日にフィラデルフィアのウィリアム・クランプ・アンド・サンズで起工され、1920年9月30日に進水しました。1921年4月19日には正式に就役し、大西洋艦隊に配属された後、1923年に太平洋へ移され、アジア艦隊に編入されました。

戦歴と活動

ポール・ジョーンズは、1941年12月8日に始まる太平洋戦争の初期において、重要な任務を果たしました。彼女は第29駆逐艦戦隊の旗艦として、ボルネオのタラカンで戦闘に臨み、沈没したオランダ船「Langkoems」から乗員を救助しました。その後、1942年1月9日には、別の日本の潜水艦に沈められたオランダ船の生存者101名を救助しました。この英雄的な行動は、彼女の任務における重要なハイライトの一つです。

さらに、1月12日には、亡失したアメリカ陸軍の貨物船「Liberty」をオランダ駆逐艦「ヴァン・ゲント」と共にバリ島のTulambenへ曳航しました。1月24日には、他の駆逐艦と共にバリクパパン沖で日本船団へ襲撃をかけ、大きな損害を与えることに成功しました（バリクパパン沖海戦）。

その後、2月5日にはオランダ船「Tidore」を護衛する任務に向かう途中、日本軍による攻撃を受け、「Tidore」が座礁して全損となりましたが、ポール・ジョーンズはその乗員を救助しました。この攻撃は、日本軍の航空隊によるもので、非常に厳しい状況下での彼女の行動は特筆に値します。

2月27日には、スラバヤ沖海戦に参加し、支援を続けながらも魚雷と燃料を使い果たし、スラバヤへと退却しました。翌朝、他のアメリカ駆逐艦と共に日本軍に襲われましたが、高速で煙幕を張り、日本軍の包囲網から逃れることに成功しました。その後、「ポール・ジョーンズ」は駆逐艦母艦「ブラック・ホーク」を護衛しながら、3月4日にオーストラリアのフリーマントルに到着しました。

フリーマントルおよびメルボルンでの修理後、ポール・ジョーンズは1942年5月12日にサンフランシスコへ向けて出航し、1942年6月29日に到着しました。以降は主に船団護衛任務に従事しました。

退役と解体

最後の任務を終えたポール・ジョーンズは1945年11月5日に退役し、同年11月28日に除籍されました。その後、1947年10月5日に売却され、1948年4月には解体されました。その長い歴史の中で、ポール・ジョーンズは数々の重要な任務を果たし、アメリカ海軍の誇り高い艦艇としての役割を果たしました。

彼女の任務は、アメリカ海軍の駆逐艦が持つ役割と責務を体現しており、その歴史は後世に語り継がれていくことでしょう。

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