ポール・タゼウェル

ポール・タゼウェルは、アメリカを代表する衣装デザイナーの一人です。舞台、ダンス、オペラ、テレビ、映画と幅広い分野でその才能を発揮し、数々の著名な作品を手がけてきました。ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで学び、ブロードウェイでキャリアをスタートさせました。

タゼウェルの功績は数々の賞にも表れています。彼はトニー賞を1回、プライムタイム・エミー賞を1回受賞しており、アカデミー賞にもノミネートされています。特に、リン＝マニュエル・ミランダのミュージカル『ハミルトン』（2016年）での衣装デザインは高く評価され、トニー賞ミュージカル衣装デザイン賞を受賞しました。その他にも、『カラーパープル』（2006年）、『IN THE HEIGHTS イン・ザ・ハイツ』（2008年）、『メンフィス』（2010年）、『欲望という名の電車』（2012年）、『Ain't Too Proud』（2019年）、『MJ』（2022年）、『Suffs』（2024年）でトニー賞にノミネートされています。

映画界でもその才能は高く評価されており、スティーヴン・スピルバーグ監督の2021年の映画『ウエスト・サイド・ストーリー』では、アフリカ系アメリカ人男性として史上初めてアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされました。テレビ界では、『The Wiz Live!』（2016年）でプライムタイム・エミー賞を受賞しています。

オハイオ州アクロンで生まれたタゼウェルは、ノースカロライナ芸術学校とニューヨーク大学のティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで学びました。2003年から2006年まで、カーネギーメロン大学で衣装デザインのレジデントアーティストと准教授を務め、後進の育成にも尽力しました。

1996年の『Bring in 'Da Noise, Bring in 'Da Funk』でブロードウェイデビューを果たして以来、数十ものブロードウェイ作品で衣装デザインを担当しています。特に、アフリカ系アメリカ人やラテン系アメリカ人が多く出演する舞台作品に数多く携わっており、『オン・ザ・タウン』（リバイバル）、『カラーパープル』、『ガイズ&ドールズ』（リバイバル）、『メンフィス』、『ドクトル・ジバゴ』、『サイド・ショウ』、『欲望という名の電車』、『Lombardi』、『奇跡の人』（リバイバル）、『Magic/Bird』、『陽なたの干しぶどう』（リバイバル）、『ハミルトン』など、枚挙にいとまがありません。

地方劇場、バレエ、オペラなど、舞台芸術の様々な分野でも活躍しています。アリーナ・ステージ、ガスリー・シアター、グッドマン・シアター、ラ・ホーヤ・プレイハウスなどの劇場や、ボストン・バレエ、パシフィック・ノースウエスト・バレエ団、ボリショイ劇場などのバレエ団、グリマーグラス・オペラ、セントルイス・オペラ・シアター、ヒューストン・グランド・オペラ、ワシントン・ナショナル・オペラ、ENO、メトロポリタン・オペラなど、数多くの劇場や団体で衣装デザインを手がけています。

近年では、映画『ウィキッド ふたりの魔女|ウィキッド_ふたりの魔女』の衣装デザインも担当するなど、その活動はますます広がりを見せています。

映画
ハリエット Harriet (2019)
ウエスト・サイド・ストーリー West Side Story (2021)
ウィキッド ふたりの魔女|ウィキッド_ふたりの魔女 Wicked (2024)
Wicked: Part Two (2025)

テレビ
The Wiz Live! (2015)
不死細胞ヒーラ ヘンリエッタ・ラックスの永遠なる人生 The Immortal Life of Henrietta Lacks (2017)
* Jesus Christ Superstar Live in Concert (2018)

ポール・タゼウェルは、その卓越した才能と創造性で、舞台芸術の世界に多大な貢献をしています。

もう一度検索