ポール・ラ・ジョワイエの戦い

ポール・ラ・ジョワイエの戦い：プリンスエドワード島における奇襲

1746年夏、ジョージ王戦争の最中に、現在のプリンスエドワード島ヒルズボロ川岸で、ニューイングランド軍とフランス系カナダ軍の間で「ポール・ラ・ジョワイエの戦い」が起こりました。

戦いの背景

1745年のルイブールの戦いの後、イギリス軍はサンジャン島（現在のプリンスエドワード島）へ遠征軍を派遣。一部隊はスリーリバーズ（ジョージタウン）へ、もう一部隊はポール・ラ・ジョワイエへ向かいました。スリーリバーズでは、アカディア人のジャン・ピエール・ロマが抵抗を断念し、村は焼き払われました。一方、ポール・ラ・ジョワイエでは、フランス軍が駐屯していましたが、ニューイングランド軍の攻撃により退却を余儀なくされました。

1745年7月、ジョゼフ・ド・ポン・デュヴィヴィエ指揮下のフランス軍はポール・ラ・ジョワイエに20人規模の部隊を駐屯させていました。ニューイングランド軍の接近により、フランス軍はノースイースト川（ヒルズボロ川）へと退却しましたが、アカディア民兵とミクマク族の援軍を得て反撃。ニューイングランド軍を軍艦へ追い返しました。その後、ニューイングランド軍はアカディア人を人質にとり、服従を強要。ルイブールへ向かい、デュヴィヴィエの部隊はケベックへ去りました。

ルイブール陥落後、ロワイヤル島のフランス系住民はフランスへ追放され、サンジャン島のアカディア人も強制送還の脅威に晒されながら生活しました。

戦闘の経緯

1746年、アカディア奪還を目指し、ジャン＝バティスト・ニコラ・ロック・ド・ラムザイ率いる遠征隊がケベックから派遣されました。ラムザイ軍はノバスコシアに到着後、アベナキ族やミクマク族と合流。総勢1300人もの兵力となりました。ラムザイはイギリス占領下のポール・ラ・ジョワイエに部隊を送り込みました。

ラムザイはまず、シャルル・デシャン・ド・ボワシェベール・エ・ド・ラフェトにニューイングランド軍の規模を偵察させました。ボワシェベールは、2隻の軍艦と200人のマサチューセッツ部隊がルイブールに向けて物資を輸送中であることを確認。ラムザイはジョゼフ＝ミシェル・レガルデュール・ド・クロワジユとモンテソンに500人以上の兵を率いさせ、ポール・ラ・ジョワイエへ派遣しました。

7月11日、モンテソン率いるカナダ軍は、ポール・ラ・ジョイエ近くのノースイースト川岸でマサチューセッツ部隊を奇襲。これにより、イギリス兵40人が死傷または捕虜となりました。残りの兵士は軍艦の陰に隠れました。7月23日、モンテソンは捕虜としたアカディア人やイギリス兵を連れて、ラムザイの元へ帰還しました。

戦闘の影響

ラムザイはその後アナポリスロイヤルの攻撃を試みましたが、失敗に終わりました。しかし、ポール・ラ・ジョワイエでの戦功により、翌年サンルイ大十字章を受勲しました。

ポール・ラ・ジョワイエは後にアマースト砦と改名され、現在はカナダ国定史跡として一般公開されています。

この戦いは、ジョージ王戦争における地域紛争の一例であり、フランスとイギリス、そして先住民との複雑な関係を示す出来事として記憶されています。

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