マイラ・アギアル

マイラ・アギアル・ダ・シウヴァ：ブラジルの誇る柔道家

マイラ・アギアル・ダ・シウヴァ（Mayra Aguiar da Silva）は、1991年8月3日、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州ポルト・アレグレで生まれました。彼女は、ブラジル柔道界で非常に高い人気を誇る女子柔道選手です。

幼少期から才能を開花

6歳で柔道を始めたアギアルは、2000年シドニーオリンピック銀メダリストであるティアゴ・カミロが所属する道場に通い始め、才能を磨きました。2006年にはブラジル選手権70kg級でいきなり優勝するという快挙を達成し、翌年にはワールドカップで国際大会デビューを果たし、銅メダルを獲得しました。2007年のパンアメリカン柔道選手権大会では銀メダルを獲得しています。

国際舞台での活躍

2008年、ワールドカップ・ワルシャワで国際大会初の金メダルを獲得。しかし、その年末に右足靱帯を損傷する大怪我を負い、10か月間のリハビリを余儀なくされました。2009年からは78kg級に階級を上げ、見事に復活。2010年世界柔道選手権大会では銀メダルを獲得しました。2011年の世界選手権では3位に終わったものの、2012年のワールド・マスターズではオール一本勝ちで優勝を果たし、その実力を改めて示しました。

オリンピックでのメダル獲得

2012年7月のロンドンオリンピックでは、準決勝でアメリカのケイラ・ハリソンに敗れましたが、3位決定戦ではオランダのマリンド・フェルケルクに勝利し、銅メダルを獲得しました。2013年の世界選手権でも3位に入賞しています。

2014年の世界選手権では、準決勝でハリソンに技ありで勝利すると、決勝でもフランスのオドレー・チュメオを技ありで破り、見事優勝を果たしました。2015年のパンアメリカン競技大会では、決勝でハリソンに敗れて2位に終わりましたが、続く世界選手権では3回戦で敗退し、連覇を逃しました。母国開催となった2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、準決勝でフランスのチュメオに指導2で敗れましたが、前回に続いて銅メダルを獲得しました。

世界選手権での複数回優勝

オリンピック後最初の国際大会となった2017年のグランプリ・カンクンで優勝。2017年の世界選手権では、準決勝で佐藤瑠香を技ありで破り、決勝では世界チャンピオンの梅木真美を技ありで破って、3年ぶり2度目の優勝を果たしました。寝技が弱点だったため、柔術の師範から週3度ほど防御を中心に稽古を積んだことが奏功し、決勝では寝業師である梅木に寝技に持ち込ませませんでした。2018年の世界選手権では3回戦で敗退しましたが、2019年にはグランドスラム・デュッセルドルフとパンアメリカン競技大会で優勝しました。東京で開催された世界選手権では準決勝で敗れて3位に終わりました。

東京オリンピックでの3大会連続銅メダル

2021年7月に日本武道館で開催された東京オリンピックでは、準々決勝で世界チャンピオンであるドイツのアンナ＝マリア・ヴァーグナーに技ありで敗れましたが、敗者復活戦を勝ち上がり、オリンピック3大会連続となる銅メダルを獲得しました。2022年のパンアメリカン・オセアニア選手権で優勝。世界選手権では準々決勝でオリンピックチャンピオンの濵田尚里を内股返で破るなどして決勝まで進み、中国の馬振昭を技ありで破って、31歳にして世界選手権3度目の優勝を飾りました。2023年の世界選手権には出場しませんでしたが、パンアメリカン・オセアニア選手権で優勝しました。

2023年のグランドスラム・東京では、決勝で世界チャンピオンであるイスラエルのインバル・ラニルを技ありで破って優勝しました。4度目のオリンピックとなった2024年パリオリンピックでは2回戦で敗退しました。

主な戦績

アギアルは、70kg級と78kg級の両方で輝かしい戦績を残しています。以下に主な戦績をまとめました。

2006年 - 世界ジュニア 3位（70kg級）
2007年 - パンナム選手権 2位（70kg級）
2008年 - ポーランド国際 優勝（70kg級）
2010年 - 世界選手権 2位（78kg級）
2012年 - ロンドンオリンピック 3位（78kg級）
2014年 - 世界選手権 優勝（78kg級）
2016年 - リオデジャネイロオリンピック 3位（78kg級）
2017年 - 世界選手権 優勝（78kg級）
2021年 - 東京オリンピック 3位（78kg級）
2022年 - 世界選手権 優勝（78kg級）
* 2023年 - グランドスラム東京 優勝（78kg級）

現在のランキング

IJF世界ランキングは、6239ポイントを獲得し、2位となっています（2023年11月27日現在）。

マイラ・アギアルは、その卓越した技術と精神力で、これからも世界の柔道界を牽引していくことでしょう。

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