マウシンラム

マウシンラム：世界一の湿地

マウシンラム（Mawsynram）は、インドのメーガーラヤ州に位置する小さな村で、カーシ山地のふもとにあります。シロンからは約56kmの距離にあり、標高は約1400mです。この村は2009年時点で「世界で最も湿った地」として知られ、過去39年間の年平均降水量は11872mmにも達しています。

降水量の記録

1985年度には、なんと26000mmの降水量を記録したという報告もありますが、この数値には信頼性に欠けるとの意見もあります。特に気象観測局のデータが不十分なため、アメリカ・ハワイのカウアイ島にあるワイアレアレ山の方が湿度が高いとする意見も存在します。

自然環境と気候

マウシンラムの降水量は、年における変動が少ないのが特徴です。霧が多く、晴れた日はあまり見られません。ライバルとして知られるチェラプンジ（Cherrapunji）やカウアイ島のワイアレアレ山も降水量が多く、どちらが本当に降水量が多いのかは一概には言えません。1994年にマウシンラムが世界で最も降水量が多い地として認定されたときには、チェラプンジの住民が強く不満を訴えたことも報道されています。

多雨の原因

この地域は極めて多雨なため、気象学や気象災害学における研究の対象とされています。モンスーン期の降雨量は、約10～20日周期で変動することが観測されています。マウシンラムの降雨のメカニズムには、いくつかの要因が関与しています。

1. ベンガル湾の影響
ベンガル湾からの温暖で多湿な大気が、モンスーンの時期に北上しカーシ山地を超えます。その際、大気が狭い地域に集中し、湿度が高まります。
2. 地形の影響
カーシ山地は、気流を地表に沿って上昇させる役割を果たします。これにより、大気が冷却され、湿度が凝縮されて雨になります。
3. 持続的な上昇気流
モンスーンの期間中、カーシ山地を通過する気流は、常に上昇気流を形成しているため、断続的に降水が発生します。

マウシンビン洞窟

マウシンラムには、観光名所として知られるマウシンビン（Mawjymbuin）という洞窟も存在します。この洞窟には、シヴァ神の宝塔を模したような巨大な石筍や岩塔が立ち並び、特にシンパー・ロック（Symper Rock）として知られています。これらの自然が作り出した美しい空間は、多くの観光客にとって魅力的なスポットとなっています。

まとめ

マウシンラムは、美しい自然環境と独特の気候条件により、世界中から注目される場所です。訪れる人々は、降水の多さや神秘的な洞窟のある風景に魅了されることでしょう。また、この地域の気象学的な重要性は、今後も多くの研究対象となるでしょう。

もう一度検索