メーガーラヤ州

メーガーラヤ州の概要

メーガーラヤ州（Meghalaya）は、インドの北東部に位置し、バングラデシュとの国境を接しています。州の名前は、ヒンディー語やサンスクリット語で「雲のすみか」を意味し、日本国外務省ではメガラヤ州と表記されています。州都はシロンで、この地域は世界で最も降水量が多い場所としても知られています。2001年の国勢調査によると、人口は約230万人です。

歴史

19世紀の初め、メーガーラヤ州はイギリスの植民地支配下に置かれ、1829年から1833年にかけてはイギリス・カシ戦争が発生しました。州は1877年に英領インド帝国の一部として組織されました。その後、1947年にインドが独立を果たした後も、メーガーラヤはアッサム州に属していましたが、1972年に独立した州として設立されました。

地勢と気候

メーガーラヤ州はほぼ全域がシロン高原に位置しており、標高は1000メートル以上です。州の南部は急崖に囲まれており、これがベンガル湾からのモンスーンを強く受ける理由にもなっています。この地域の降水量は世界有数で、多くの森林に覆われており、様々な野生動物が生息しています。また、州内では高品質の珪線石が採掘され、重要な資源となっています。

行政区分

メーガーラヤ州は以下の主要な地区に分かれています。

• - 東ガロ丘陵地区
• - 東カシ丘陵地区
• - ジャインティア丘陵地区
• - リ・ボイ
• - 南ガロ丘陵地区
• - 西ガロ丘陵地区
• - 西カシ丘陵地区

これらの地区には、主要な民族であるカーシ族、ガロ族の他にも、ジャインティア族、ディマサ人、ハマール人、クキ人、ラブハ人、カルビ人、ネパール人などが住んでおり、それぞれの地域で独自の文化を育んでいます。

住民と文化

住民は主にカーシ族とガロ族で、彼らの言語はカーシ語とガーロ語であり、英語と並ぶ公用語とされています。これらの民族は、モン・クメール語派に属し、彼らの文化や伝統は独特で、多様な宗教を信仰しています。イギリスの植民地時代にキリスト教が広まったため、今では州民の半数以上がキリスト教徒です。

経済

経済の主体は農業であり、2001年時点の統計では労働者の約65％がこの分野に従事しています。かつては林業も重要な産業でしたが、政府の政策により伐採が制限され、現在はほとんど行われていません。さらに、鉱業もメーガーラヤ州経済の重要な部分で、特にジャインティア丘陵から産出される石炭が県内総生産の8-10%を占めています。ただし、石炭採掘に関しては、児童労働の存在や環境への影響が懸念されています。違法な採掘も頻繁に行われ、高リスクな手法で商業的に行われているため、政府は2014年に一部手法を禁止しましたが、未だに問題の解決には至っていません。

反政府勢力

メーガーラヤ州には、アチック民族解放戦線やメーガーラヤ人民解放戦線といった反政府勢力も存在し、地域の安定に課題をもたらしています。これらの組織は、民族の権利や自決権を主張して活動しています。アウトドアのアクティビティや観光資源としての魅力も秘めているメーガーラヤ州ですが、その豊かな文化や自然環境に対する保護と発展の牽制が求まれています。

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