マウントレースイ

マウントレースイスキー場

北海道夕張市にあるマウントレースイスキー場は、スキー場やホテルなどを備えた複合型のリゾート施設です。その名称は、この地にある「冷水山（れいすいざん）」に由来しています。かつては「夕張リゾート」が運営を手掛けていましたが、2021年からは新たに設立された「夕張リゾートオペレーション」が運営を担っています。

歴史

マウントレースイスキー場の始まりは、この地域で炭鉱事業を展開していた大和鉱業による開設に遡ります。その後、夕張市や市が出資する第三セクターによる改修を経て施設が拡充されました。1988年には松下興産が約20億円で施設を取得し、100億円を超える巨費を投じてホテル建設やコースの大規模な拡張を伴う再開発を実施。1991年に総合リゾートとして生まれ変わった際には、敷地が旧夕張駅前まで広がりました。

1990年代後半に入り松下興産の経営が悪化すると、2002年には夕張市への売却（実質的な買い戻し）を打診。当時の市長であった中田鉄治氏が26億円で買い戻し、再び夕張市の所有となりました。しかし、2007年に夕張市が財政破綻したため、指定管理者制度を導入。公募の結果、加森観光が運営を受託することになりました。

2016年9月、夕張市は市が所有し、加森観光グループの夕張リゾートが運営するマウントレースイスキー場やホテルマウントレースイなどの宿泊施設を売却する方針を打ち出しました。2017年2月8日には、中国系の元大リアルエステートの関連会社である元大夕張リゾートへ、約2億4000万円で売却する契約が結ばれました。同年3月には加森観光が保有していた夕張リゾートの全株式を取得し、4月1日より元大夕張リゾートの所有・運営となりました。さらに2019年3月には、香港の投資会社であるGreat Trend (H. K.) Limitedに再び売却され、運営会社は元大夕張リゾートから夕張リゾートホールディングス（夕張HD）へと社名を変更しました。

一時閉鎖と再開業

2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、ホテルシューパロなどと共に一時休業しました。さらに2020年12月には、2020-2021シーズンのスキー場営業と合宿の宿ひまわりの休業を発表。運営会社の夕張リゾートは国内の金融機関に融資を求めるなどしましたが資金繰りが困難となり、同年12月24日付けで事業を停止し、破産を申し立てることを発表しました。

この突然の事業停止は、夕張市内の小中高校のスキー授業中止や、予定されていた大会の会場変更など、地域に大きな影響を与えました。一方、このシーズンは例年以上の積雪に恵まれたため、徒歩で山頂を目指し滑走する人々も現れました。しかし、これは私有地への無断立ち入りにあたる上、コースが整備されておらず沢への転落リスクが高いこと、監視体制がないことなど、安全面での懸念が指摘されました。

2021年4月、Great Trend (H. K.) Limitedは、夕張リゾートの後継となる運営会社として、新たに夕張リゾートオペレーションを設立しました。同年9月には、夕張リゾートオペレーションが2021年11月下旬からスキー場と合宿の宿ひまわり（現：ホステルひまわり）の営業を再開する方針が示されました。当初の予定より約1ヶ月遅れの12月18日、営業再開の方針が改めて発表されました。しかし雪不足のため、さらに1日延期され、12月19日に一部コース限定でのプレオープンという形でようやく再開に漕ぎ着けました。

コース・施設

マウントレースイスキー場には、初心者向けの緩やかなロングコースから、最大斜度45度を超える非圧雪の急斜面など、多様なレベルに対応する計19コースが設けられています（かつて存在した最大斜度53度のエクストリームラインは現在閉鎖）。

コース一覧（一部）

超上級者向け: カービングライン（最大斜度43度）、ラクーンライン（最大斜度45度）など
上級者向け: パノラマBライン（最大斜度25度）、レーシングAライン（最大斜度30度）など
中級者向け: パノラマAライン（最大斜度25度）、ダンシングBライン（常設ポールコース）など
初心者向け: ビギナーズAライン（最大斜度16度）、ワインディングロード（ロングコース）など

リフト・ゴンドラ

ビギナーズ4リフト (4人乗り)
ダンサーズ4リフト (4人乗り)
レーサーズ2リフト (2人乗り)
スウィンガーズ2リフト (2人乗り)
シャトル6ゴンドラ (6人乗り)
スノーエスカレーター（キッズパーク内）

その他施設

センターハウス（レストラン、休憩所など）
シャトルベース（券売所、カフェ、レンタル、ゴンドラ乗り場など）
スカイステーション（冷水山山頂、ゴンドラ降り場）
キッズパーク
雪遊びフィールド
ダブルスパイラル、テレインパーク（一部コース内）

アクセス

2019年3月31日まで営業していたJR北海道の石勝線支線・夕張駅は、ホテルマウントレースイの目の前に位置しており、かつては鉄道でのアクセスが非常に便利でした。

現在は主にバスや自家用車でのアクセスとなります。

バス: 夕鉄バスの路線（新夕張駅や夕鉄本社ターミナルから接続）、北海道中央バスの路線（札幌駅や岩見沢方面から、2024年9月末廃止予定）、宿泊者専用の送迎バス（冬季限定、近年は運休あり）などがあります。
自家用車: 札幌市内からは約60分でアクセス可能です。

ゲレンデの麓にある特徴的な形状のホテルマウントレースイは、2階部分がゴンドラ乗り場に直結しており、建物内から直接山頂へ移動できる構造となっていました。

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