マケドニア人民解放反ファシスト会議

マケドニア人民解放反ファシスト会議（ASNOM）とは

マケドニア人民解放反ファシスト会議（ASNOM）は、第二次世界大戦中の1944年から終戦まで、マケドニアの人民を代表する最高立法・行政機関でした。マケドニア語では、Антифашистичко Собрание на Народното Ослободување на Македонијаと表記され、略称はASNOMです。

ASNOM第1回総会

ASNOMの第1回総会は、1944年8月2日、マケドニアの歴史において象徴的なイリンデンの日に、クマノヴォ近郊のプロホル・プチニスキ修道院で開催されました。この会議で最も重要な決議は、マケドニア語を公用語とするマケドニア人による国民国家の樹立宣言でした。また、マケドニアの市民は民族に関わらず市民権を与えられ、母語と信仰を守る権利を有すると定められました。

戦時下の政府機関

ASNOMは戦時中のマケドニアにおける最高政府機関でしたが、マケドニア国家は憲法制定当初からユーゴスラビア連邦の構成共和国とされていました。会議では、大戦におけるマケドニア解放戦争終結後、ユーゴスラビアの他の民族との間で「兄弟愛と統一」が確立されるまでの国家の位置づけに関する宣言も行われました。

ティトーとスターリンの決裂

1948年、ユーゴスラビアのヨシップ・ブロズ・ティトーとソビエト連邦のヨシフ・スターリンが対立。これにより、ギリシャ内戦は終結し、マケドニア全土を統一するというティトーの夢は潰えました。デヤン・ジョキッチは、ブルガリアがマケドニア人をブルガリア人とは異なる民族であるとする立場を再び否定し、ギリシャで内戦に勝利した反共主義者もマケドニア人の存在を否定したため、ユーゴスラビアこそがマケドニア人を民族として認め、マケドニア人の国家を認める唯一の確かな道となったと主張しています。

メトディヤ・アンドノフ＝チェント

会議の議長は、メトディヤ・アンドノフ＝チェントでした。彼の目標は、統一マケドニア国家を完全に独立させるか、ユーゴスラビア連邦の構成国とするかのいずれかでした。ユーゴスラビアの構成国としてのマケドニアは実現したものの、統一マケドニアは実現しませんでした。チェントはマケドニア人民共和国の初代大統領として、ユーゴスラビア連邦政府からの独立性を高めることを求め、ティトーの代理人であるスヴェトザル・ヴクマノヴィッチ＝テンポや、後にユーゴスラビア大統領となるラザル・コリシェフスキらと対立しました。

貢献者

ASNOMには、後にマケドニア共和国が独立を果たした際に初代大統領となったキロ・グリゴロフも貢献しました。

関連項目

マケドニア共和国議会
マケドニア共和国の歴史

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