マココ

マココ：水上スラムの現状と再生への道のり

ナイジェリアのラゴス本土沿岸に位置するマココは、独特な景観を持つ水上集落です。ラゴス・ラグーン（潟湖）の上に建てられた水上家屋が特徴で、「アフリカのベニス」と呼ばれることもあります。しかし、その美しい外観とは裏腹に、マココは多くの問題を抱えています。

歴史とコミュニティ

マココの歴史は19世紀にまで遡ります。この地は、ラゴス西部のバダグリーやベナンから移住してきたエグン族の人々によって港として利用されてきました。彼らの主な生業は漁業であり、水上家屋は彼らの生活の基盤となっています。マココのコミュニティの約3分の1は、水上に足場を組んで建てられた家屋で暮らしており、残りの人々は陸地に居住しています。しかし、2007年の国勢調査では公式に集計されておらず、正確な人口は不明ですが、推定で85,000人以上が暮らしていると考えられています。

行政による破壊と住民の苦境

2012年7月、ラゴス州政府は、電線の上に建てられた水上家屋を予告なく撤去する命令を出しました。これにより、イワヤ・マココ地区の多くの水上家屋が破壊され、約3,000人もの人々が家を失う事態となりました。この強制撤去は、住民たちに大きな混乱と苦しみをもたらし、彼らの生活基盤を根底から揺るがすものでした。

再生への動き

水上家屋の一部破壊から2ヶ月後、SERAC（社会経済的権利アクションセンター）の住宅供給部門であるUrban Spaces Innovationは、学識経験者、NPO、国際コンサルタントとともに、マココのコミュニティの再生プランを策定しました。このプランは2014年1月にラゴス州の「都市と配置計画」省に提出され、マココの復興に向けた希望の光となっています。

マココの現状

マココは、その独特な景観から観光地としての潜在的な魅力も持っていますが、生活環境は依然として厳しい状況です。衛生問題や教育問題、貧困などが深刻化しており、持続可能な開発が急務となっています。水上集落という特殊な環境での生活は、外部からの支援なしには改善が難しく、国際社会の協力も必要とされています。

ギャラリー

（画像は省略）

外部リンク

Iwan Baan (26 May 2013). “School at Sea” (英語). New York Times. 2018年3月24日閲覧。
マココ：ナイジェリアの最大都市ラゴスの水上スラム街
マココ：ナイジェリアの最大都市ラゴス市の水上集落：水上街

関連項目

水上集落
水上生活者
スラム

マココは、開発と貧困、都市化と自然環境の狭間で揺れる、現代社会が抱える課題を象徴する場所と言えるでしょう。この水上集落の再生への道のりは、世界の他のスラム地域にも教訓を与え、持続可能な社会のあり方を考える上で重要な示唆を与えてくれるでしょう。

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