マスプロ大学

マスプロ大学（マスプロだいがく）について

マスプロ大学とは、主に大教室で多くの学生を対象とした講義が行われる教育機関を指し、一般には「マスプロ教育」とも呼ばれます。この「マスプロ」という言葉は、「マスプロダクション」（大量生産）の略称であり、教育の大量供給を暗示していると言えます。特に、この形式は大学の大衆化を論じる一環として、その弊害について批判的な観点から取り上げられることが多いです。

概要

従来、マスプロ大学は私立大学の中でも特に古くからの伝統校、特に社会科学系の学部で多く見られましたが、この現象は進学率の上昇に伴い、どの国でも広がる可能性があります。日本では1960年代末から1970年代にかけて大学進学率が3割を超えた時期から、「マスプロ教育」に反する問題が次々と取り上げられるようになりました。具体的には、早稲田大学や日本大学、立命館大学などが挙げられます。

マスプロ教育では、講義が教員から学生への一方通行の形式に陥りやすく、教員は自分のゼミに属する学生以外とは交流する機会が少なくなります。対照的に学生側も、その授業に対して受け身の態度になりがちです。これに対し、医歯薬系の学部では国家試験制度に基づいたモデルカリキュラムが設けられており、学年ごとに講義が行われるため、この傾向は少ないと言えます。

また、私立大学においては、専門科目の講義を行う教員の多くが非常勤であることが多く、常駐していないため、学生は気軽に質問に行くことが難しいのが現状です。さらに、教員研究室のスペースが国立大学に比べて狭いため、ゼミを行うことが困難であったり、学生数に対してキャンパススペースが狭く音楽や演劇の練習音が授業の妨げになる場合もあるなど、教育環境としては国立大学と比較すると劣悪だという指摘がされています。

対策

こうしたマスプロ教育による刺激不足は授業の内容をマンネリ化させ、学生の学習意欲を低下させる要因となります。そのため、多くの大学ではこの問題を解消するための取り組みを進めています。

具体的には、大学初年次生を対象に「基礎ゼミナール」といった少人数制の授業を導入することや、教員が定期的に研究室を開放して学生が質問しやすい環境を整えるために「オフィスアワー」を設けることが義務化されています。これにより、学生が能動的に学習に参加できる機会を提供し、教育の質を向上させる努力が行われています。

関連項目

• - 大学
• - 大学崩壊
• - 授業崩壊
• - 大学全入時代
• - マンモス校
• - 全学共闘会議（全共闘）: 1960年代末、日本大学などの大規模学生運動の背景にマスプロ教育への抗議がありました。
• - 日大紛争

以上のように、マスプロ大学は日本の教育制度において特有の問題を抱える存在ですが、それに対する解決策も模索されています。

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