全学共闘会議

全学共闘会議（全共闘）についての詳細

全学共闘会議、略して全共闘（ぜんきょうとう）は、1968年から1969年にかけて日本全国の大学で展開された学生運動を指します。この運動は、新左翼に属する学生たちが組織し、特に日本大学と東京大学での活動が中心となりました。全共闘運動は、バリケードストライキや「実力闘争」をはじめとする武力的な側面を強調した点が特徴的です。

全共闘の組織と運動目的

全共闘は、特定の政治党派に帰属しない大衆運動として、多様な学部やセクトを超えて広がりました。日本大学の日大全共闘や東京大学の東大全共闘など、目立つ運動があり、運動の主張には「大学解体」や「自己否定」という思想が見られました。特にデモにおいては、機動隊との衝突が多発し、投石やゲバ棒が用いられる場面もありました。全共闘は、単なる学生自治会活動ではなく、大学内部の権威主義に対する根本的な挑戦と位置づけられています。

学生運動の前史

学生運動の歴史は、1949年の新制大学発足以前から存在しており、授業放棄やピケットストライキを通じた要求活動が行われていました。しかし、これらの運動は学生生活の向上を目指すものであり、大学側に譲歩を求めるものでした。従来の学生自治会では、ノンポリ的な多数派に反発し、活動家のみで構成される「共闘会議」が各地で設立されたことで新たな運動が芽生えました。

発端と初期の展開

全共闘運動の発端は、1968年5月に日本大学で発生した使途不明金問題でした。この問題に対して学生からの強い反発が起こり、初めてのデモが経済学部前で行われました。結果として全学共闘会議が成立し、その後の全学集会には35,000人以上の学生が参加し、大学当局と長時間にわたる交渉が行われました。

一方で、東京大学では医学部関連の不当処分に抗議する活動が波及し、たちまち安田講堂の占拠事件へと繋がりました。こうした抗議行動はまるで火の粉が散るように他大学にも広がり、大学を超えた連携が特色として浮かび上がります。

運動の広がり

全共闘運動は、1968年の初めから1969年までの間に多くの大学に広がり、学生たちが自主的に自らの選択で参加する運動としての性質を持ちました。大学の現状に対する不満が、不安定な政治状況や教育の質の低下と結びつくことで、新たな政治的意識が芽生えました。最終的には日本全国で165の大学が全共闘という形式で闘争状態に突入しました。

収束とその後

しかし、全共闘運動は1970年代に入ると次第に後退していきます。新左翼内の内ゲバや暴力事件が発生し、運動の指導部も崩壊。日本の学生運動は急速に支持を失っていきました。特に1969年の安田講堂攻防戦の後、運動の組織化が難航し、参加する学生は次第に減少していきました。

全共闘の影響と評価

全共闘運動は、社会的にも大きな影響を及ぼしました。その後の政治活動や社会運動における主張の根幹に、全共闘の経験が大きく影響しているという見方もあります。一方で、過去の運動を振り返り、その意義を問う声も多く、評価は分かれるところです。全共闘の活動が急速に盛り上がりながらも、短命に終わったことは、今でも多くの人々に議論を呼んでいます。全共闘の理念や活動は、学生や若者にとって権利獲得のための重要な教訓として残っています。

もう一度検索