マスロック

マスロック（Math rock）は、その名の通り数学的な構造を持つかのような、複雑で変則的なリズムを特徴とするロック音楽の一形態です。キング・クリムゾンや、現代[[音楽]]家のスティーヴ・ライヒといったアーティストからの影響が指摘されており、その音楽性は、従来のロックの枠組みにとらわれない、独特の複雑さと展開を持っています。

マスロックの特徴

マスロックの大きな特徴の一つは、その複雑なリズム構成にあります。変拍子やポリリズムを多用し、楽曲全体を通して予測不能な展開を繰り広げます。そのため、通常のロックバンドに比べて、ドラムの音が際立って聞こえる傾向にあります。ギターを中心としたメロディは、鋭角的で不協和音を含むこともあり、独特の緊張感を生み出します。

また、マスロックの楽曲は、歌よりもインストゥルメンタルパートを重視する傾向が強く、ボーカルはエフェクトの一つとして扱われることも少なくありません。クリーンなトーンのギターサウンドが用いられることが多いですが、ディストーションを使用するバンドもあります。

代表的なバンド

マスロックを代表するバンドとしては、海外では、ガスター・デル・ソル、トータス、スリント、ドン・キャバレロ、バトルスなどが挙げられます。これらのバンドは、マスロックの基礎を築き、その音楽性を広く知らしめる上で大きな役割を果たしました。

日本においては、1980年代からルインズ、ボアダムス、あぶらだこ、ZENI GEVA、DOOMといったバンドが、マスロック的な要素を取り入れた音楽活動を展開していました。これらのバンドは、LITEやZAZEN BOYS|ZAZEN_BOYSをはじめとする、以降の日本のマスロックシーンに大きな影響を与えています。

その他、海外のバンドでは、65デイズオブスタティック、アメリカン・フットボール、ダンス・ギャヴィン・ダンス、ザ・ディスメンバメント・プラン、ドライヴ・ライク・ジーヒュー、ザ・フォール・オブ・トロイ、ブラック・ミディ、ポリフィア、チョンなどが、日本のバンドでは、the band apart、the cabs、cinema staff、downy、JYOCHO、MASS OF THE FERMENTING DREGS、mudy on the 昨晩、NUITO、People In The Box、te'、toe、tricot、トリコンドル、凛として時雨などが挙げられます。

マスロックの発展

マスロックは、その独特の音楽性から、他のジャンルとの融合も進んでいます。ポスト・ハードコアやポストロック、ノイズロック、マスコアといったジャンルとの親和性が高く、これらのジャンルの要素を取り入れたバンドも多く存在します。マスロックは、その複雑さゆえに聴く人を選ぶ音楽かもしれませんが、その独自性から多くの音楽ファンを魅了し続けています。また、マスロックの発展は、既存のロックの概念を拡張し、新たな音楽表現の可能性を示唆するものと言えるでしょう。

関連ジャンル

ノイズロック
ポスト・ハードコア
ポストロック
マスコア

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