マセラティ・ギブリ (M157)

マセラティ・ギブリ：高級セダンの新たな基準

2013年、マセラティはEセグメントに位置する高級スポーツセダン、ギブリを発表しました。約15年ぶりに復活したこのモデルは、同社が掲げる販売目標達成の鍵となり、メルセデス・ベンツEクラス、BMW 5シリーズ、アウディA6といった強力なライバルと競合する存在となりました。

戦略的な価格設定と販売実績

ギブリは、競合他社と比較して抑えられた価格設定を実現。これにより、マセラティへのアクセスを容易にし、多くの顧客を獲得することに成功しました。その戦略は高い成果を上げ、2014年にはマセラティ全体の販売台数の6割以上をギブリが占め、前年比136%という驚異的な成長率を記録しました。

洗練されたデザイン：エクステリア

ギブリのエクステリアは、マセラティの伝統と現代的なデザインセンスが融合した魅力的なものとなっています。全長4970mm、全幅1945mmという堂々たるボディサイズは、Fセグメントに属するモデルをも凌駕するほどです。

フロントフェイスは、マセラティ伝統の大型グリルが目を引きます。凹型のルーバーと中央のトライデントロゴは、ブランドアイデンティティを明確に示しています。LEDヘッドライトとテールランプが、先進的な技術と洗練されたデザインを融合。

サイドビューは、4ドアセダンでありながらクーペのような流麗なシルエットを実現。サッシュレスドアを採用することで、よりスポーティな印象を与えています。フロントフェンダーの3連ダクトやCピラーのサエッタロゴなど、細部にもマセラティのデザイン哲学が反映されています。

左右4本出しのマフラーは、力強い走りを予感させるスポーティなディテールです。ボディカラーはソリッド2色、メタリック9色、ホイールは18インチから21インチまで7種類を用意。さらに、カラードキャリパー、サンルーフ、防眩機能付きドアミラーなどのオプションも充実しています。

贅沢な空間：インテリア

インテリアは、ドライバーと助手席が独立した「ダブルコックピット・レイアウト」を採用。スポーティな雰囲気と上質な空間が調和しています。ダッシュボード中央にはアナログ時計が配置され、マセラティの伝統が受け継がれています。

シートはイタリアの高級家具メーカー、ポルトローナ・フラウが手掛け、高いクラフトマンシップを感じさせる仕上がりです。様々な素材やステッチパターン、トリムオプションが用意され、個々の好みに合わせたカスタマイズが可能です。

エルメネジルド・ゼニアとのコラボレーションによる「ゼニアパッケージ」やカーボンファイバーを採用した「カーボンパッケージ」など、特別なオプションも用意されています。その他、アルカンターラのルーフライニング、シートヒーター、シートベンチレーション、バワーズ＆ウィルキンスやハーマンカードン製の高性能オーディオシステムなど、充実したオプションが用意されています。

強力なパワートレイン

ギブリに搭載されるエンジンは、マセラティが設計したV型6気筒DOHC 24バルブです。ただし、組み立てはフェラーリのマラネロ工場で行われるというこだわりが込められています。

ベースグレードには2.979ccのツインターボガソリンエンジンを搭載。最高出力330PS、最大トルク500Nmを発生します。上位モデルのS Q4では、最高出力が410PS、最大トルク550Nmに向上しています。ディーゼルエンジンモデルも用意され、最高出力は275PSとガソリンモデルより劣りますが、最大トルクは570Nm～600Nmと、力強いトルク特性を発揮します。

まとめ

マセラティ・ギブリは、伝統と革新が融合したEセグメント高級サルーンです。優れたデザイン、上質なインテリア、そして力強いパワートレインが、ドライバーに最高のドライビング体験を提供します。戦略的な価格設定も相まって、高い人気を誇るモデルとなっています。

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