マチュヴァ郡

マチュヴァ郡

マチュヴァ郡は、セルビアの最西部に位置する郡であり、郡庁所在地はシャバツです。この郡は、歴史的なマチュヴァ地方を中心とし、ポドリニェ、ポサヴィナ、ポツェリナといった地域に広がっています。豊かな自然と歴史的背景を持つマチュヴァ郡は、セルビアの文化と経済において重要な役割を果たしています。

基礎自治体

マチュヴァ郡は、8つの基礎自治体で構成されています。その内訳は、シャバツとロズニツァの2つの市（град / grad）と、ボガティッチ、ヴラディミルツィ、コツェリェヴァ、マリ・ズヴォルニク、クルパニ、リュボヴィヤの6つのオプシュティナ（општина / opština）です。市は、オプシュティナと比較してより強い自治権を有しています。

シャバツ市（Šabac）
ロズニツァ市（Loznica）
ボガティッチ（Bogatić）
ヴラディミルツィ（Vladimirci）
コツェリェヴァ（Koceljeva）
マリ・ズヴォルニク（Mali Zvornik）
クルパニ（Krupanj）
リュボヴィヤ（Ljubovija）

主要都市

郡内の主要都市としては、以下の都市が挙げられます。

シャバツ (55,163人)
ロズニツァ (19,863人)
ロズニチュコ・ポリェ (7,922人)
ボガティッチ (7,350人)
クルプツィ (7,297人)
マユル (6,854人)
バニャ・コヴィリャチャ (6,340人)
ポツェルスキ・プリチノヴィッチ (5,992人)
バドヴィンツィ (5,406人)
クルパニ (4,912人)
マリ・ズヴォルニク (4,736人)
レシュニツァ (4,731人)
コツェリェヴァ (4,645人)
プルニャヴォル (4,464人)
リュボヴィヤ (4,130人)

民族構成

2002年の国勢調査によると、マチュヴァ郡の民族構成は以下の通りです。

セルビア人: 317,658人 (96.37%)
ロマ: 3,235人 (0.98%)
ムスリム人: 1,859人 (0.56%)

歴史と文化

シャバツ周辺には、セルビアの歴史的な出来事に関連する多くの事物が見られます。カラジョルジェ・ペトロヴィチの記念碑や、ミルティン王の宮殿跡であるノヴォ・セロ、ツェル山に築かれたコサニンの要塞都市などがあります。また、サヴァ川の川岸には古代都市の遺構も存在します。

ロズニツァ近郊には、セルビア語正書法を確立したヴーク・カラジッチの生地であるトルシチ村があります。トルシチの近くには、14世紀に建設されたネマニチ朝最古の寄進地の一つであるトロノシャ修道院があり、セルビアの文化と伝統の保護において重要な役割を果たしました。この修道院は、写字学校の伝統の中心地として、セルビアの歴史と文化に関する多くの書物を筆写し、現代に伝える役割を果たしました。

経済

マチュヴァ郡の産業は、ゾルカ社の化学工場、シャプチャンカ社の食品工場、イェラ社の家具工場、メタロプラスティカ社の金属・プラスチック加工工場などの大規模な工場によって特徴づけられています。特に、USスティールが保有するブリキ加工機は、年間20万トン以上のブリキ板を生産する主力産業となっています。

関連項目

セルビアの郡
ヴーク・カラジッチ

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