マックスバリュ九州

マックスバリュ九州株式会社について

マックスバリュ九州株式会社は、かつて九州地方（沖縄県を除く）でスーパーマーケット事業を展開していたイオングループの企業です。2001年に、経営破綻した地場スーパー「壽屋」の食品スーパー部門を引き継ぐ形で設立されました。2020年9月1日にイオン九州へ吸収合併され、その歴史に幕を閉じました。

設立の背景

2001年、九州の地場スーパーであった壽屋が民事再生手続きを申請しました。その際、壽屋の食品スーパー部門「くらし館」の事業をイオンが引き受けるために、マックスバリュ九州が設立されました。これにより、イオングループは九州における食品スーパーマーケット事業を拡大することになりました。

事業展開

設立当初は、壽屋の本社があった熊本県熊本市に本社を置き、旧壽屋系列の店舗を賃借して運営していました。その後、地場スーパーのM&Aや廃業した企業の店舗譲受などを通じて、九州7県に店舗網を拡大していきました。店舗ブランドとしては、自社開発の「マックスバリュ」店舗と、旧「くらし館」の「マックスバリュくらし館」が混在していましたが、順次「マックスバリュ」へのブランド統一を進め、店舗の標準化を進めていました。また、ディスカウントストア「ザ・ビッグ」の展開や、店舗評価制度「5つ星チェック」の導入など、独自の取り組みも行っていました。

沿革

マックスバリュ九州の歴史は、複数の企業の合併・統合を経て形成されています。

ハロー
1958年：佐賀主婦の店として創業。
1992年：株式会社ハローに商号変更。
1998年：寿屋系のスーパーマーケットチェーン「えじまや」と合併。

西九州ウエルマート
1958年：ますやとして創業。
1994年：西九州ウエルマート株式会社に商号変更。

壽屋・くらし館
1994年：壽屋が「くらし館」1号店を開店。
1998年：「くらし館」運営会社を「壽屋」に吸収。

マックスバリュ九州誕生・3社統合後
2002年：壽屋の店舗譲渡を受け、マックスバリュ九州を設立。
2003年：西九州ウエルマート、ハローを合併。
2004年：イオン九州から一部店舗を譲受。
2008年：タイホーからスーパー6店舗を譲受。
2012年：大阪証券取引所JASDAQ市場へ株式を上場。
2015年：ダイエーから九州地区のスーパー14店舗を承継。
2016年：クリエイトを吸収合併。
2017年：レッドキャベツの一部店舗を承継。
2020年: レッドキャベツの固定資産を取得。
2020年：イオン九州に吸収合併。

店舗ブランド

マックスバリュ九州が展開していた主な店舗ブランドは以下の通りです。

マックスバリュ、マックスバリュエクスプレス
イオングループが展開する食品スーパーマーケット。
自社開発店舗、譲受店舗、旧系列店舗など、様々な形態の店舗が存在。

ザ・ビッグ、ザ・ビッグエクスプレス
イオングループが展開するディスカウントストア。
マックスバリュからの転換や新規出店で展開。

マックスバリュくらし館、マックスバリュハロー
旧壽屋・ハローからの店舗を小規模改装した派生業態。
店舗数は減少傾向。

レッドキャベツ
株式会社レッドキャベツから引き継ぎ営業するスーパーマーケット。
一部店舗は「マックスバリュエクスプレス」に転換。

COCOSA B1
フードスタイルストア。
SNSを活用した情報発信を実施。

ショッピングセンター展開

マックスバリュ九州は、単独店舗の展開だけでなく、ショッピングセンターへの出店も積極的に行っていました。

買物袋持参運動

レジ袋削減のため、2008年からレジ袋辞退者への割引を実施していましたが、2019年には全店舗でレジ袋の有料化に移行しました。

事件

2013年、店舗内で客がアイスケースに入るという不祥事が発生し、一部商品を撤去するなどの対応が行われました。

POSシステム

イオングループ共通のPOSシステムを導入していました。

まとめ

マックスバリュ九州は、九州の食文化を支える重要な役割を担っていました。複数の企業の歴史を背景に持ち、地域に根ざしたスーパーマーケットとして親しまれてきました。吸収合併によりその名前は消えましたが、その事業はイオン九州に引き継がれ、現在もその精神は受け継がれています。

もう一度検索