マックス・シュルツ (駆逐艦)

Z3 マックス・シュルツ

Z3 マックス・シュルツは、ドイツ海軍が建造した1934型駆逐艦の一隻です。この艦名は、第一次世界大戦中にイギリス巡洋艦との戦闘で戦死した水雷艇「V69」のマックス・シュルツ艇長に敬意を表して名付けられました。

艦歴

1935年1月2日に起工され、同年11月30日に進水、1937年4月8日に就役しました。

初期の活動

ポーランド侵攻前の1939年8月、マックス・シュルツは第1駆逐隊の一員としてバルト海西端部へ展開しました。8月26日には、ボーンホルム島東方で哨戒や訓練を実施。夜には軽巡洋艦ニュルンベルクの周囲に集結し、翌日には給油艦ザームラントから給油を受けるよう命じられました。

衝突事故

給油に向かう途中、8月27日未明に水雷艇ティーガーと衝突事故を起こしました。ティーガーは沈没し、死者2名と重傷者6名を出す大惨事となりましたが、マックス・シュルツの乗組員に死傷者はいませんでした。この衝突により艦首を損傷したマックス・シュルツは、駆逐艦ゲオルク・ティーレや曳船によってスヴィネミュンデへ曳航され、シュテッティンで修理を受けることになりました。

その後の作戦活動

修理後の10月には、戦艦シャルンホルストや軽巡洋艦ケルンなどの護衛としてノルウェー南岸沖へ出撃。10月28日には、ノルウェー沖での作戦中に主給水ポンプが故障し、さらにタービンが破裂する事故が発生。これにより全ボイラーが停止し、行動不能に陥りました。辛うじて第3罐室を動かすことに成功し、他の駆逐艦に曳航されキールへ帰投しました。

機雷敷設作戦

1940年2月9日から10日には、マックス・シュルツは他の駆逐艦と共にハリッジ沖へ機雷を敷設しました。この作戦により、敵艦船6隻、計28,496トンを撃沈する戦果を挙げました。

最期

1940年2月22日、マックス・シュルツはヴィーキンガー作戦中に沈没しました。この沈没で乗員308名全員が死亡し、生存者はいませんでした。

艦長

M. Baltzer少佐 (1937年4月8日 – 1938年10月24日)
クラウス・トラムペダッハ少佐 (1938年10月25日 – 1940年2月22日)

参考文献

カーユス・ベッカー『呪われた海　ドイツ海軍戦闘記録』、松谷健二 訳、中央公論新社、2001年、ISBN 4-12-003135-7
M.J.Whitley, German Destroyers of World War Two, Arms and Armour Press, 1991, ISBN 1-85409-084-4
Gerhard Koop, Klaus-Peter Schmolke, German Destroyers of World War II, Greenhill Books/Naval Institute Press, 2003, ISBN 1-85367-540-7 / ISBN 1-59114-307-1
Hervieux, Pierre (1980). “German Destroyer Minelaying Operations Off the English Coast (1940–1941)”. In Roberts, John. Warship. IV. Greenwich, England: Conway Maritime Press. ISBN 978-0-87021-979-5

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