マック・アールバーグ

マック・アールバーグ（Mac Ahlberg）は、1931年 6月12日にスウェーデンのストックホルムに生まれ、映画の撮影監督として国際的に活躍した人物です。2012年 10月26日に81歳で心不全によりこの世を去りました。

彼のキャリアは1960年代に母国スウェーデンで幕を開けました。この時期に手がけた作品としては、『ファニー・ヒル』（Fanny Hill、1968年）や、1970年代に入ってからの『絶頂の女/フロッシー』（Flossie、1974年）などが挙げられます。これらの初期の作品は、彼の後の活動とはやや異なる傾向を持つものもあります。

1970年代後半になると、アールバーグ氏はアメリカ合衆国へと活動の拠点を移します。米国でのキャリアでは、特にSF映画やホラー映画といったジャンル映画において、その才能を遺憾なく発揮しました。彼の映像は、時にスリリングに、時にユニークに、物語世界を視覚的に構築する上で重要な役割を果たしました。

1980年代は、彼がSFやホラーの分野で最も精力的に活動した時期と言えるでしょう。この期間には、数々の記憶に残る作品の撮影を担当しています。例えば、カルト的な人気を誇るホラー作品では、『ヘルナイト』（Hell Night、1981年）や、ブライアン・ユズナ監督作『グーリーズ』（Ghoulies、1985年）、そしてスチュアート・ゴードン監督とのコラボレーションで知られる『ZOMBIO/死霊のしたたり|ZOMBIO_死霊のしたたり』（Re-Animator、1985年）や『フロム・ビヨンド』（From Beyond、1986年）、さらには人気シリーズの始まりとなった『ガバリン』（House、1986年）とその続編『ガバリン2 タイムトラぶラー』（House II: The Second Story、1987年）、『プリズン』（Prison、1987年）、『ザ・デプス』（DeepStar Six、1989年）、『デビルジャンク』（The Horror Show、1989年）など、枚挙にいとまがありません。

SFジャンルにおいても、彼の貢献は大きく、『悪魔の寄生虫パラサイト』（Parasite、1982年）や、『メタルストーム』（Metalstorm: The Destruction of Jared-Syn、1983年）、『SFダンジョン・マスター/魔界からの脱出』（Ragewar、1984年）、独特の世界観を持つ『トランサーズ/未来警察2300』（Trancers、1985年）、『エリミネーターズ』（Eliminators、1986年）、『SFソードキル』（Ghost Warrior、1986年）、『SFゾーン・トゥルーパーズ』（Zone Troopers、1986年）、そして『ロボ・ジョックス』（Robot Jox、1990年）、『ジャンクウォーズ2035』（Crash and Burn、1990年）、『スペース・トラッカー』（Space Truckers、1996年）など、多岐にわたる作品でその映像感覚を発揮しました。

しかし、彼の活動は特定のジャンルに限定されるものではありませんでした。アクションやコメディといった幅広い分野でもその手腕を振るっています。例えば、『セダクション盗撮された女』（The Seduction、1982年）、『個人授業』（My Tutor、1983年）、『チェーンヒート』（Chained Heat、1983年）、『ヤング・ウォリアーズ』（Young Warriors、1983年）、『プライムリスク』（Prime Risk、1985年）、『オスカー』（Oscar、1991年）、『ネイルズ』（Nails、1992年）、ジョン・ランディス監督の吸血鬼コメディ『イノセント・ブラッド』（Innocent Blood、1992年）、シルヴェスター・スタローン主演のサスペンスアクション『スリー・リバーズ』（Striking Distance、1993年）、そして有名な『ビバリーヒルズ・コップ3』（Beverly Hills Cop III、1994年）、『ゆかいなブレディ一家/我が家がイチバン』（The Brady Bunch Movie、1995年）とその続編『ゆかいなブレディー家/トラブルinハワイ』（A Very Brady Sequel、1996年）、HBO製作のテレビ映画『トークショー』（The Late Shift、1996年）、『セカンドインパクト』（Second Civil War、1997年）、『グッド・バーガー』（Good Burger、1997年）、晩年の作品としては『エア・レイジ』（Air Rage、2001年）、『ザ・コンタクト』（Groom Lake、2002年）、『キング・オブ・バイオレンス』（King of the Ants、2003年）など、商業的なヒット作からインディーズ系の作品まで、そのキャリアは非常に多彩です。

マック・アールバーグ氏は、多作な撮影監督として、特に1980年代から90年代にかけてのハリウッド映画界、とりわけSFやホラーといったジャンル映画の視覚表現に大きく貢献しました。彼の残した映像は、今なお多くの映画ファンに記憶されています。

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