マッターホルン・ゴッタルド鉄道

マッターホルン・ゴッタルド鉄道：スイスを代表する山岳鉄道

マッターホルン・ゴッタルド鉄道（MGB）は、スイス南部の美しい山岳地帯を走る狭軌鉄道です。その軌間は1000mmで、2003年1月1日にフルカ・オーバーアルプ鉄道（FO）とBVZツェルマット鉄道（BVZ）が合併して誕生しました。

概要

MGBは、グラウビュンデン州のディセンティス/ミュンスターから、オーバーアルプ峠、ウーリ州のアンデルマットを経由し（ゲシェネンへの支線が分岐）、ヴァレー州オーベルヴァルト近郊のフルカベーストンネルを通って、ブリーク、フィスプを経由し、マッターホルンの麓にあるツェルマットに至る全長144kmの路線を運営しています。有名な観光列車である氷河急行は、ディセンティス/ミュンスターでレーティッシュ鉄道と接続し、サンモリッツまで運行されています。

旧フルカ・オーバーアルプ鉄道は、沿線にレーティッシュ鉄道のサンモリッツやダヴォス、旧ブリーク-フィスプ-ツェルマット鉄道のツェルマットのような著名な観光都市を持たなかったため、経営的に苦しい状況でした。2003年にBVZツェルマット鉄道に合併し、同時に社名をマッターホルン・ゴッタルド鉄道に変更しました。

沿革

MGBは、以下の鉄道会社の歴史を引き継いでいます。

旧ブリーク-フィスプ-ツェルマット鉄道（BVZ）
1890年7月3日：フィスプ - シュタルデン・サース間開業
1891年7月18日：ザンクト・ニクラウゼン - ツェルマット間開業
1930年6月6日：ブリーク - フィスプ間開業
1930年6月22日：氷河急行運転開始
旧フルカ・オーバーアルプ鉄道（FO）
1915年6月1日：ブリーク - オーバーヴァルト間開業
1926年7月4日：グレッチ - ディセンティス/ミュンスター間開業
1930年6月22日：氷河急行運転開始
1982年6月26日：フルカベーストンネル開業
旧シェレネン鉄道
1917年7月12日：アンデルマット - ゲシェネン間開業

これらの鉄道会社が統合され、2003年1月1日にマッターホルン・ゴッタルド鉄道が誕生しました。

路線

MGBは、以下の主要な路線を運営しています。

ブリーク - フィスプ - ツェルマット線
路線長：44.0km
特徴：マッターホルンへの玄関口であるツェルマットへ向かう路線。ラック式鉄道区間あり。
ブリーク - アンデルマット - ディセンティス/ミュンスター線
路線長：96.94km
特徴：フルカ峠をフルカベーストンネルで迂回する路線。オーバーアルプ峠を越える区間はラック式鉄道。
ゲシェネン - アンデルマット（シェレネン線）
路線長：3.71km
特徴：ゴッタルド峠を越える古い街道の町アンデルマットへ向かう路線。急勾配のラック式鉄道。
チェッパ信号場 - ルエラス間（ゴッタルドベーストンネル建設基地専用線）
路線長：2.2km
特徴：ゴッタルドベーストンネル建設のために建設された貨物路線。

運行

MGBでは、スイス国内の鉄道がパターンダイヤ化されたBahn+Bus 2000計画によって、昼間時間帯を中心に1時間ごとのパターンダイヤが組まれています。また、氷河急行も運行されています。ブリーク - ツェルマット間では、1時間に1本の列車が運行されるほか、ツェルマットへの旅客輸送用としてシャトルトレインが運行されています。

車両

MGBは、電気機関車、電車、蒸気機関車、気動車、客車など、様々な種類の車両を保有しています。

電気機関車：ラック式の電気機関車が主力。
電車：VVVFインバータ制御の最新型車両も導入。
蒸気機関車：保存鉄道で運行。
客車：パノラマ車が人気。

参考文献

Woifgang Finke, Hans Schweers 「Die Fahrzeuge der Furka-Oberalp-Bahn」 （SCHWEERS + WALL） ISBN 3-89494-111-1
Dvid Haydock, Peter Fox, Brian Garvin 「SWISS RAILWAYS」 （Platform 5） ISBN 1-872524-90-7

外部リンク

鉄道のOfficial website'>マッターホルン・ゴッタルド鉄道のOfficial website
フルカ山岳蒸気のOfficial website

関連項目

スイス
氷河急行
フルカ山岳蒸気鉄道
レーティッシュ鉄道
* スイスの鉄道

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