マディ・ウォーターズ

マディ・ウォーターズ（マッキンリー・モーガンフィールド）

マディ・ウォーターズ、実名マッキンリー・モーガンフィールド（1913年4月4日 - 1983年4月30日）は、ブルースのジャンルにおいて圧倒的な存在感を放ったアメリカのシンガーでありギタリストです。彼はシカゴで展開されたエレクトリック・ブルースのスタイルを確立し、シカゴ・ブルースの父として広く知られています。生涯にわたり6回のグラミー賞を受賞し、1987年にはロックの殿堂入りを果たしました。

彼の特長的な深い声や、パワフルなボトルネック・ギター、さらにカリスマ的なパフォーマンスにより、ブルース界での彼の地位は揺るぎないものとなりました。彼の音楽的な影響は、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンといったロックアーティストたちにも及び、彼のスタイルに影響を受けたミュージシャンは数多く存在します。

幼少期とデビューまでの歩み

マディ・ウォーターズは、ミシシッピ州のクラークスデイル郊外ストーヴァルにて幼少期を過ごしました。泥んこで遊ぶのが好きだったことから、いつしか「マディ・ウォーターズ（泥水）」というあだ名がつけられました。彼は7歳のころからハーモニカを手にし、その後ギターを習得しました。彼の音楽的なアイドルには、サン・ハウスやロバート・ジョンソンがいました。

1941年、アラン・ローマックスが彼をレコーディングしたことが彼の音楽キャリアの最初の一歩となります。続いて1943年にはシカゴに移住し、1946年からはコロンビアレコードでレコーディングを行っていました。

チェス・レコードでの成功

1947年にはサニーランド・スリムに誘われ、アリストクラット・レーベル（後のチェス・レコード）に参加。ここで彼は「ジプシー・ウーマン」や「リトル・アンナ・メイ」といった曲をレコーディングし、その後バンドスタイルの音楽を展開し始めます。1953年には「フーチー・クーチー・マン」「恋をしようよ」「アイム・レディ」などの代表曲を録音し、大きな成功を収めました。

1958年には初のイギリスツアーを果たし、1963年にはアメリカン・フォーク・ブルース・フェスティバルに参加するため渡欧しました。彼の音楽はブルースだけでなく、ロック文化にも大きな影響を与え、1970年代にはロック要素を取り入れた作品をリリースしました。特に1976年のザ・バンドの解散コンサート「ラスト・ワルツ」では、彼の名演がドキュメンタリー映画に記録されています。

晩年と遺産

1977年にはジョニー・ウィンターとともにアルバム『ハード・アゲイン』をリリースし、1980年には初来日ツアーを行いました。しかし1983年、イリノイ州ウェストモントにて70歳で他界しました。彼の影響は今日もなお色あせることなく続いており、彼の音楽やスタイルは後世のアーティストたちに深く影響を与えています。

彼は1971年から1979年の間に6回のグラミー賞を受賞し、また「ローリング・ストーン」誌が選ぶ偉大なアーティストランキングにも名を連ねており、その名声は今でも多くの音楽ファンに愛されています。シカゴ・ブルースの中心的人物として、多くの音楽ファン、アーティストにとってのアイコンとして位置づけられる彼の存在は、ブルース音楽の重要な基盤の一つとなっています。

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