マデリン・オブ・ヴァロワ

マデリン・オブ・ヴァロワ（1520年8月10日 - 1537年7月7日）は、フランス王フランソワ1世と王妃クロードの間に生まれた王女で、スコットランド王ジェームズ5世の妃となりました。フランス語名はマドレーヌ・ド・ヴァロワ（Madeleine de Valois）です。

彼女はフランソワ1世とクロード王妃の三女として誕生しました。幼少期はフランス王室で過ごし、1537年1月1日にパリのノートルダム大聖堂でスコットランド王ジェームズ5世と結婚しました。この結婚は、フランスとスコットランドの同盟関係を強化する目的がありました。

しかし、マデリンのスコットランドでの生活は長くはありませんでした。結婚からわずか半年後の1537年7月7日、エディンバラのホリールード宮殿で結核のため、16歳という若さで亡くなりました。若くして異国の地で命を落とした彼女の死は、多くの人々に惜しまれました。

ジェームズ5世はマデリンの死後、1538年にフランスの有力貴族であるギーズ家出身のメアリー・オブ・ギーズと再婚しました。メアリーとの間に生まれたのが、後にスコットランド女王となるメアリー・ステュアートです。そして、メアリー・ステュアートの夫となったフランス王フランソワ2世は、マデリンの甥にあたります。

マデリン・オブ・ヴァロワは、短い生涯ではありましたが、フランスとスコットランドの歴史において重要な役割を果たしました。彼女の結婚は両国の関係を深め、後のスコットランド女王メアリー・ステュアートの誕生にも間接的に影響を与えました。彼女の若すぎる死は悲劇でしたが、その名は歴史に刻まれ、今も語り継がれています。

参考文献
* 森護 『スコットランド王室史話』 大修館書店、1988年

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