マニュエラ・マレーバ

マニュエラ・マレーバ＝フラニエール（Manuela Maleeva-Fragniere）は、1967年2月14日ブルガリアのソフィアで生まれました。彼女は、マレーバ3姉妹（マニュエラ、カテリナ、マグダレナ）の長女として知られる元女子プロテニス選手です。後にスイス人コーチ、フランソワ・フラニエールと結婚し、国籍をブルガリアからスイスへ移しました。

スポーツ一家に育ち、才能を開花

マニュエラの家族は、母親がブルガリア国内テニス選手権で9度優勝、父親はバスケットボールのブルガリア代表でプレーしたという、スポーツ界では名門一家でした。その影響を受け、マレーバ3姉妹は幼い頃からテニスに親しみ、マニュエラは6歳でテニスを始めました。1982年、15歳でプロの道へ進みます。

WTAツアーでの活躍と日本での人気

1984年5月、マニュエラは「スイス・オープン」でWTAツアー初優勝を飾ります。その2週間後には「イタリアン・オープン」決勝で、当時トップ選手のクリス・エバート・ロイドを破り、2大会連続優勝を果たしました。同年にはウィンブルドンで初の4大大会ベスト8入り。さらに、全米オープン混合ダブルスではトム・ガリクソンとペアを組み、見事優勝しました。

同年11月には、大阪城ホールで開催された「ライオン・レディス・カップ」で、決勝でハナ・マンドリコワを下して優勝。続く12月には、第1回「東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメント」で初代女王に輝きました。これらの勝利をきっかけに、マニュエラは日本で多くのファンを獲得しました。

1985年には全仏オープンと全豪オープンでベスト8、東レ・パン・パシフィック・テニスでは2連覇を達成。1986年には全米オープンでベスト8に進出しました。1987年11月には、コーチのフランソワ・フラニエールと結婚しています。

グランドスラムでの挑戦と姉妹対決

4大大会では長らくベスト8の壁を破れずにいましたが、1992年の全米オープンで初のベスト4進出を果たします。準々決勝では妹のマグダレナとの姉妹対決を制しましたが、準決勝ではアランチャ・サンチェス・ビカリオに敗れました。1993年の全米オープンでもベスト4に進出し、準々決勝で伊達公子を破りましたが、準決勝でシュテフィ・グラフに敗れました。

国籍変更とオリンピックのメダル

女子国別対抗戦・フェデレーションカップでは、1983年から1989年までブルガリア代表としてプレー。結婚を機にスイス国籍を取得し、1991年と1992年にはスイス代表として出場しました。1988年のソウルオリンピックにはブルガリア代表として出場し、シングルスで銅メダルを獲得しています。

引退とその後

マニュエラ・マレーバ・フラニエールの現役最後のトーナメントは、1994年2月に大阪で開催されたアジア女子オープンでした。決勝でイバ・マヨリを破り、有終の美を飾りました。27歳で世界ランキング9位のまま現役を引退し、トップ10のポジションを維持したまま引退した4人目の選手となりました。

マニュエラ・マレーバ＝フラニエールは、その実力と美貌で多くのファンを魅了し、ブルガリアとスイスのテニス界に大きな足跡を残しました。

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