マフムーデク

マフムード：カザン・ハン国の独立と発展を築いた君主

マフムード（生年不詳 – 1465年）は、カザン・ハン国の第2代君主として知られています。彼は、カザン・ハン国の創始者であるウルグ・ムハンマドの長男として生まれ、父と共にヴォルガ流域における勢力拡大のためにルーシ諸公国との戦いを繰り広げました。

生涯

若き日の活躍

マフムードは若い頃から父ウルグ・ムハンマドと共に、ヴォルガ流域の覇権を巡りルーシの諸公国と戦いました。1437年には、ベリョーフの戦いでドミトリー・シェミャーカ率いるモスクワ軍を打ち破るという功績を挙げています。

スーズダリの戦い

1445年、マフムードは父ウルグ・ムハンマド、弟のユスフと共にカザン軍を率い、ニジニ・ノヴゴロドの併合を計画しました。そして、スーズダリの戦いにおいてモスクワ大公ヴァシーリー2世を破り、捕虜とするという大きな勝利を収めます。この戦いの後、モスクワから莫大な戦利品と身代金を得て、カザン・ハン国の財政基盤を強化しました。

カザン・ハン国の独立

父の死後、マフムードはカザン・ハン国の君主として即位しました。彼の治世下において、カザン・ハン国は大オルダからの完全な独立を達成し、国家としての構造を確立しました。これより、カザン・ハン国は名実ともに独立国家となりました。

国際交易都市としての発展

マフムードは、カザンの地理的な利点に着目し、国際的な交易都市としての発展を推進しました。ヴォルガ中流域に位置するという地の利を生かし、中央アジア、ペルシア、ルーシなど、様々な地域の商人をカザンに呼び込みました。その結果、カザンは東西交易の拠点として繁栄し、経済的にも大きく発展しました。

死とその後

1465年、マフムードは死去し、長男のハリールが後を継ぎましたが、ハリールは早世してしまいます。その後、弟のイブラーヒームが王位を継承しました。1977年、カザン・クレムリンにあるスュユンビケ塔の発掘調査中に、マフムードとその孫であるムハンマド・エミーンの墓碑と白い石造りの霊廟が発見され、彼の業績を今に伝えています。

マフムードは、カザン・ハン国の独立を確立し、国際的な交易都市としての発展を促した名君として、歴史に名を刻んでいます。

参考資料

レフ・グミリョフ 著、山川五生 訳『「ルーシからロシヤまで」』FTM、2018年9月3日。ISBN 978-5446733002
Evgeny Khvalkov (August 3, 2017). The Colonies of Genoa in the Black Sea Region: Evolution and Transformation. Routledge. ISBN 978-1351623063

外部リンク

* Махмуд: первый казанский хан, которого похоронят 19 мая — Реальное время（ロシア語）

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