マラシュティ級駆逐艦

マラシュティ級駆逐艦について

マラシュティ級駆逐艦はルーマニア海軍の艦艇であり、第一次世界大戦前に建造が始まりました。当初、ルーマニア王国海軍は小規模な海上兵力を保有しており、主に沿岸警備や防衛を目的としていましたが、旧式の艦艇しか持っていませんでした。1913年、ルーマニアはイタリアのナポリにある会社に駆逐艦4隻を発注しましたが、これらの艦は大戦勃発後、イタリア海軍に接収されました。その結果、ルーマニアは戦後の1920年にそのうちの2隻を取り戻し、マラシュティとマラシェシュティと改名されてルーマニア海軍に再び加わりました。

武装と改装

初期のマラシュティ級駆逐艦は、アームストロング社製の152mm砲を艦の前面に2門、後面に1門備えていました。また、副砲として76.2mm単装砲も搭載していました。魚雷攻撃能力も持ち、457mmの連装魚雷発射管が2基装備されていました。1925年から1926年には、イタリアで大規模な改装が行われ、152mm砲はすべて取り外され、かわりに120mm砲が装備されました。さらに、1939年には再度改装が行われ、機銃や爆雷投射機が搭載され、戦闘能力が向上しました。

第二次世界大戦における活躍

第二次世界大戦中、マラシュティ級は老朽化しながらも有効な戦力として機能しました。彼らはボスポラス海峡からコンスタンツァ、クリミア間の護衛任務に従事し、ソ連海軍の艦隊に対抗するための防御を行いました。1941年から1942年にかけて、艦の動力装置に問題が生じましたが、それでも任務を続行し続けました。その過程で、1943年には敵潜水艦を撃沈する戦果も上げています。

1944年春には、クリミア半島で包囲された枢軸軍に物資を補給する任務にも従事しましたが、マラシュティが座礁してしまい、動けなくなります。その後も任務を遂行しましたが、空爆により損傷を受け、ルーマニアの敗戦後にはソ連軍に捕獲されました。

ソ連海軍時代とその後

ルーマニアの降伏後、マラシュティ級はソ連の艦艇となり、赤色海軍黒海艦隊に編入されました。このとき、艦名もロシア語に改められ、マラシュティはローフキィに、マラシェシュティはリョーフキィに変更されました。その後、1946年にルーマニアに返還され、艦名はD11およびD12に改められましたが、旧式艦のため、その後は練習艦として使われ、1963年には退役して解体される運命を辿りました。

結論

マラシュティ級駆逐艦は、ルーマニア海軍にとって重要な艦艇であり、第一次世界大戦と第二次世界大戦の両方で活躍しました。その間に実施された改装や任務の数々は、艦の能力向上に寄与しましたが、やがて旧式化し、歴史の中で役割を終えることとなりました。

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