ルーマニア王国

ルーマニア王国の歴史

ルーマニア王国（Regatul României）は、1881年3月13日にルーマニア公国の大公カロル1世が国王として即位したことで成立しました。この王国は、1945年の第二次世界大戦による敗北とソビエト連邦による占領を経て、1947年に正式に消滅しました。

ルーマニアの独立

ルーマニアは、長い間オスマン帝国の支配下にありましたが、1866年に憲法を制定したことを受けて、1877年5月9日にオスマン帝国からの独立を宣言しました。これにより、ルーマニア公国は国際的な承認を得ることになります。1881年にカロル1世が国王となり、名実共に独立した国としてルーマニア王国が誕生しました。

大国間の調整が行われた後、ルーマニアはその境界を拡大し、1912年に第一次バルカン戦争では中立を維持しましたが、次の年に発生した第二次バルカン戦争ではブルガリアに対して軍事行動を起こし、南ドブロジャを獲得しました。

第一次世界大戦とその影響

第一次世界大戦ではルーマニアは連合国側に遅れて参加し、やがて中央同盟国に敗北し、ブカレスト条約を結びます。しかし、その後のヴェルサイユ条約によってこの条約が無効となり、1918年にはトリアノン条約を締結し、ブコビナ、トランシルヴァニア、ベッサラビアといった地域を取り戻しました。これによりルーマニアの領土は2.5倍、人口は3倍に増加し、「大ルーマニア」の概念が実現しました。

しかし、戦後の情勢は厳しく、ロシア革命の影響で共産主義勢力が伸長し、反共主義・反ユダヤ主義を掲げる鉄衛団が議会で影響力を持つようになりました。国王カロル2世はこれに対処すべく1938年に政府を解散し、自身の独裁を進めます。

第二次世界大戦と王国の崩壊

第二次世界大戦では、ルーマニアは日独伊連合の一員となり、その後はナチスドイツの影響下に置かれました。1940年にはブカレストがドイツ軍に占拠され、国王は退位しました。1941年にはソ連に宣戦を布告し、南方戦線での戦闘に参加するも、1944年にはまたもやソ連の侵攻により連合国側に鞍替えします。

1945年、ドイツが降伏し、ルーマニアはソ連に併合される運命を辿りました。その後、1947年12月30日に王政が廃止され、ルーマニア人民共和国が成立し、王国としてのルーマニアは法的に消滅しました。

まとめ

ルーマニア王国は、その成立から崩壊に至るまで、複雑な歴史を抱えていました。独立を勝ち取った背景や国際情勢、大戦後の変化などが相まって、王国は消滅を余儀なくされました。今後もその歴史は、ルーマニアのアイデンティティと文化に影響を与え続けるでしょう。

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