マラボ

マラボ：赤道ギニアの首都、変遷と発展の歴史

マラボは、ギニア湾に浮かぶビオコ島に位置する赤道ギニアの首都です。かつてはサンタ・イサベルという名で知られていました。首都が島にある国は、赤道ギニアとデンマークのみという珍しい特徴を持ちます。

奴隷貿易拠点から首都へ：マラボの歴史

1827年、フェルナンド・ポー島（現在のビオコ島）はスペインからイギリスに貸与され、ポート・クレランスという名の海軍基地および奴隷貿易取り締まり拠点となりました。解放奴隷にはシエラレオネのフリータウンへの移住権が与えられましたが、ギニア湾東部で解放された人々はポート・クレランスに定住し、都市が形成されました。

その後、島の統治権がスペインに戻ると、ポート・クレランスはサンタ・イサベルと改名されました。1968年10月12日、フェルナンド・ポー島（ビオコ島）は大陸部のリオムニと共に赤道ギニア共和国として独立。1969年には首都機能がリオムニの最大都市バタからサンタ・イサベルに移されました。初代大統領フランシスコ・マシアス・ンゲマによる改名運動の一環として、フェルナンド・ポー島はビオコ島に、サンタ・イサベルはブビ族のマラボ1世王に敬意を表し、1973年にマラボへと改名されました。この改名運動は、植民地時代のヨーロッパ式名称をアフリカ式に戻すというンゲマの重要政策の一環でした。

「アフリカのアウシュヴィッツ」：暗黒の時代

ンゲマ大統領は恐怖政治とも言える独裁体制を敷き、ビオコ島の多数派であるブビ族への迫害を行いました。1979年、甥のテオドロ・オビアン・ンゲマ中佐によるクーデターで政権は崩壊しましたが、政権末期には赤道ギニアは「アフリカのアウシュヴィッツ」とまで呼ばれ、マラボはその恐怖の象徴となりました。

石油ブームと変貌：現在のマラボ

1992年、ビオコ島沖で巨大油田ザフィーロ油田が発見され、アメリカのモービル（現エクソンモービル）が原油生産を開始。マラボはギニア湾の石油拠点として急速に発展しました。1997年には赤道ギニア全体の経済成長率が71%という驚異的な数値を記録し、マラボは石油ブームに沸きました。各種企業や外国からの移民が集中し、都市は拡大。石油輸出のための港湾施設も整備され、ギニア湾東部の交通拠点となっています。

都市の景観と課題

マラボ市内では、マラボ大聖堂と最高裁判所が際立った建造物です。マラボ国際空港や沿岸部の港湾施設は石油ブームによって近代化され、都市全体の近代化が進んでいます。しかし、一方でスラム街の広がりも深刻であり、富裕層の居住区との格差が拡大しています。

気候

気候はケッペンの気候区分では熱帯モンスーン気候 (Am) に属します。

姉妹都市

* グアダラハラ （メキシコ）

マラボは、その地理的な特性、歴史、そして近年の石油ブームによって大きく変貌を遂げた都市です。しかし、その発展の裏には、政治的な混乱や社会的な課題も存在しています。今後の持続可能な発展が期待されます。

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