マリゴールド

有限会社マリゴールド：アダルトゲーム界の異端児

有限会社マリゴールドは、東京都品川区に拠点を置くアダルトゲーム制作会社です。「ルネ」や「ネル」といった個性的なブランドを擁し、アダルトアニメ制作・販売を行うルネピクチャーズも傘下に収めています。

特徴的な作品群とシステム

2004年以降、マリゴールドは鍵括弧で囲まれた長文サブタイトルが特徴的な作品を数多くリリースしてきました。その内容は凌辱系を中心としており、マニアックなニーズに応えています。また、数多くの別ブランドとパートナーシップを締結し、スペースプロジェクトとも深い関係を築いています。

ゲームシステム面では、「多彩なフォントとサイズ変更」「マウスホイールでのバックログ巻き戻し（メッセージウィンドウ、音声、絵も対象）」「Hシーンでの効果音を第二のBGMとして活用」など、細部にまでこだわりが見られます。

2010年8月には、PCゲーム用HPをルネソフト、アダルトアニメ販売用HPをルネピクチャーズへとそれぞれ独立させました。

2024年現在、ルネソフトが総合ブランドとして君臨する一方、マリンは明るいH、ルネ TeamBittersは寝取られに特化しています。特にルネ TeamBittersは、当時バッドエンドの一要素に過ぎなかった寝取られに潜在的なニーズがあることを察知し、『喪服妻「許してアナタ…私、弱い未亡人です」』でその要素を取り入れたところ、大きな反響を呼んだことが設立のきっかけとなりました。ただし、寝取られジャンルに対するスタッフの抵抗感も考慮し、採用時にはこのジャンルでの実績を重視しているとのことです。

ルネピクチャーズの戦略

ルネピクチャーズの城疋砂馬也氏は、「BugBug」誌のインタビューで、初期はAICと共同で「ひまじん」レーベルの販売を担当し、『そらのいろ、みずのいろ』や『戦乙女ヴァルキリー』などを手掛けたと語っています。その後、自社で販売も行うようになり、2008年からは新たな制作会社と組んで制作から販売まで一貫して行う体制を確立しました。

主要レーベル「ばにぃうぉ～か～」でOVAを多数リリースしていましたが、寝取られ要素への拒否反応の高まりを受け、2018年に専門レーベル「あんてきぬすっ」を立ち上げ、『それでも妻を愛してる2』をリリースしました。

城疋氏は、これらのレーベルにおいて原作を忠実に再現することを重視しており、それが支持されている要因だと分析しています。また、地上波アニメ以上のクオリティを目指しており、「ばにぃうぉ～か～はエロアニメ界のufotable」と評されたこともあるそうです。

成人向け漫画のアニメ化が多い理由として、同人漫画は人気があってもOVA化に必要なボリュームに満たない場合が多いことを挙げています。また、漫画はコマ同士のつながりをアニメで表現できる一方、ゲームはイベントCGの間をテキストと立ち絵で繋ぐため、アニメ監督の演出がユーザーのイメージと異なる可能性があると指摘しています。

漫画のアニメ化においては、制作の節目で原作者にチェックしてもらい、キャスティングも原作者の意向を尊重しているとのことです。城疋氏は、ユーザーの多くが原作漫画のファンアイテムとして購入していると分析しており、原作再現度への意識を高める理由の一つとしています。

原作選びの基準としては、アニメ化した際に原作の魅力を最大限に引き出せるかを重視し、人気作でも絵柄が個性的過ぎたり、登場人物が多すぎるなど、アニメ化が難しい作品は避けているそうです。また、FANZAなどの販売サイトで人気の検索ワードも参考にし、「巨乳」「女子校生」「人妻」などが定番として挙げられています。

購買層については、ダウンロードやストリーミングは20代が中心である一方、パッケージ版は40～50代が中心であり、視聴環境の違いが影響していると分析しています。このため、FANZAでのDL先行配信は行うものの、限定配信は行わない方針を貫いています。

多彩なブランド展開

マリゴールドは、ルネソフト、ルネ TeamBitters、マリン、アンダームーン、オーバードーズなど、多様なブランドを展開しています。各ブランドがそれぞれ異なるコンセプトを持ち、幅広いニーズに対応しています。

アダルトゲーム業界において、独自の路線を歩む有限会社マリゴールド。その今後の展開から目が離せません。

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