マリーア・テレーザ・チーボ＝マラスピーナ

マリーア・テレーザ・チーボ＝マラスピーナについて

マリーア・テレーザ・チーボ＝マラスピーナ（Maria Teresa Francesca Cybo-Malaspina、1725年6月29日 - 1790年12月25日）は、イタリアのマッサ＝カッラーラ公国の女公であり、経済改革や文化活動において重要な役割を果たしました。

生涯の初期

彼女は、マッサ＝カッラーラ公アルデラーノ1世と、ノヴェッラーラ・バニョーロ伯カミッロ3世の娘リッチャルダ・ゴンザーガの長女として生まれました。1731年に父を亡くし、わずか6歳で公爵位を継承しましたが、当時はまだ幼いため、母親が摂政となり、公国の統治を行いました。彼女が公国の実権を握るのは1744年になってからのことでした。

結婚と子女

彼女は1734年11月10日にマッサでソワソン伯ヨハネス・フランツ・オイゲン・フォン・ザヴォイエンと代理結婚しましたが、彼は結婚式からわずか2週間後に亡くなり、事実上この結婚は成立しませんでした。その後、1741年にモデナおよびレッジョ公エルコレ3世・デステと結婚し、2人の子供をもうけました。

• - マリーア・ベアトリーチェ・リッチャルダ（1750年 - 1829年）: 1771年にオーストリア大公フェルディナントと結婚し、1790年にはマッサ＝カッラーラ公爵位を継承しました。
• - リナルド・フランチェスコ（1753年）

統治と改革

1746年、女公はマッサとカッラーラの自治体に対して、大理石採石に関する特権を認める法令を発布しました。この法令は、全ての採石作業員が賃貸料を自治体に支払うことを定めており、今なお20世紀初頭まで効力を保っていました。しかし、その後、法令の存在は採石業の発展に逆に障害となることもあり、1920年には弁護士ヴィーコ・フィアスキが法令撤廃を求める論証を行いました。

また、女公はハプスブルク帝国のヨーゼフ主義改革と連動して経済改革も推進しました。彼女は公爵領の基幹道路「ヴィア・ヴァンデッリ」を建設し、新たにマッサに病院を設立するなど、公共福祉に寄与する施策を行いました。

文化的貢献

マリーア・テレーザは、トスカーナ州の文化史においても大きな影響を与えました。彼女の美術顧問であった建築家ジョヴァンニ・ドメニコ・オリヴィエーリは、スペイン宮廷で王立サン・フェルナンド美術アカデミーの創設に関与していましたが、後に女公に仕えました。オリヴィエーリの助言を受け、女公は1769年にカッラーラ美術アカデミーの創設を実現しました。このアカデミーは地域の文化発展に寄与し、彼女の見識を反映した重要な教育機関となりました。

結論

1790年に亡くなったマリーア・テレーザ・チーボ＝マラスピーナは、その功績を通じて、イタリアの歴史に名を刻む人物です。彼女の統治や文化への貢献は、今でも多くの人々によって称えられています。

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