マルコス・ヴァーリ

マルコス・コステンバーダ・ヴァーリ（Marcos Kostenbader Valle、1943年9月14日 - ）は、ブラジルのシンガーソングライター、ギタリスト、キーボーディストとして知られています。

生い立ちと初期の音楽活動

ヴァーリはリオデジャネイロで、弁護士の息子として生まれました。幼少期にジョアン・ジルベルトの音楽に触れたことがきっかけでボサノヴァに魅了され、音楽家を志すようになります。ギターを手に取り、音楽の道を歩むことを夢見ていました。

デビューと「サマー・サンバ」の世界的ヒット

1964年、アルバム「サンバ・ヂマイス（Samba demais）」でEMIブラジルからデビューを果たします。1966年には、マルコスが作曲、兄のパウロ・セルジオ・ヴァーリが作詞した「サマー・サンバ（Samba de Verão、英語題：So nice）」が、オルガン奏者のワルター・ワンダレイ（Walter Wanderley）によって演奏され、世界的な大ヒットとなりました。

アメリカでの活動とデオダートとの共演

1968年には、大半の曲を英語詞で歌い、妻のアナマリアも参加したアルバム「サンバ '68」をリリースし、アメリカでも成功を収めます。このアルバムをはじめ、この時期の多くのアルバムのアレンジは、デオダートが担当しました。デオダートとは数多くの楽曲を共同で制作しています。

多様な音楽性とジャンルの融合

ヴァーリの音楽は、ボサノヴァ、サンバ、MPBといったブラジル音楽のルーツを大切にしながらも、ジャズ、ロック、ソウル、ファンク、AORなど、欧米のポピュラー音楽の要素を積極的に取り入れています。サンバを始めとするブラジル音楽と、欧米の音楽とのクロスオーバーを試み、独自の音楽スタイルを確立しました。

ブラジル音楽界における重要な存在

ボサノヴァの時代から現在に至るまで、マルコス・ヴァーリはブラジルのポピュラー音楽にとって非常に重要な人物として評価されています。彼の音楽は、世代を超えて多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィ

Samba demais（1963年）
O compositor e o cantor（1965年）
Braziliance!（1967年）
Samba68（1968年）
Viola enluarada（1968年）
Mustang cor de sangue（1969年）
Marcos Valle（1970年）
Garra（1971年）
Vento sul（1972年）
Previsao do tempo（1973年）
Marcos Valle（1974年）
Vontade de rever voce（1981年）
Marcos Valle（1983年）
O Tempo da gente（1986年）
Tempos De Bossa Nova（1993年）
Nova Bossa Nova（1998年）
Live in Montreal（2000年）
Escape（2001年）
Contrasts（2003年）
Jet Samba（2005年）

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