マルセロ・アスカラガ・パルメロ

マルセロ・デ・アスカラガ・パルメロの生涯

マルセロ・デ・アスカラガ・パルメロ（1832年9月4日 - 1915年5月30日）は、フィリピン・マニラ出身のスペインの軍人兼政治家です。彼は、アルフォンソ13世の治世下で首相を務めたことで知られています。その生涯は多くの経験と功績に満ちており、スペインの歴史の中で重要な役割を果たしました。

生い立ち

デ・アスカラガは、父ホセ・アスカラガと母マリア・パルメロの間に生まれ、ビスカヤ県にルーツを持つ家族に育てられました。若い頃から学業に秀で、マニラの聖トマス大学で法学を学び、後には海洋学校で数学を首席で学びました。彼の才能は早くから認められ、士官学校に進学後、3年で大尉に任官されました。さらに23歳で聖フェルナンド勲章も授与されています。

軍歴の初期には、メキシコ、キューバ、サント・ドミンゴなどへの海外遠征に参加し、その経験を通じて多くの国際的な知見を得ました。特に、メキシコへの遠征ではフアン・プリム将軍に従い、またサント・ドミンゴでは重要な軍事行動に関与しました。1866年にスペインへ帰国した後は、キューバに再度戻り、当時の富裕層の一員であった女性と結婚しました。

政治経歴

政治家としてのキャリアは、1856年から始まります。彼はバルドメロ・エスパルテロ退陣運動に参加し、以降キューバに赴任、駐メキシコ大使としても行動しました。1866年にはプリム将軍の革命運動鎮圧に際して忠誠を認められ、大佐に昇進しました。1868年にはイサベル2世廃位運動に参加し、准将に昇進するとともに、戦争次官に任命されました。これにより、共和制が成立するまでの間、彼は重要な政治的任務を果たしました。また、スペイン王政復古を強く支持し、アルフォンソ12世の即位を支援しました。

彼の政治キャリアでは、自由保守党の一員として活動し、多くの重要な政府ポストを歴任しました。アントニオ・カノバス・デル・カスティーリョ内閣では戦争大臣として活躍し、その後1897年の首相暗殺事件後に一時的に首相代行をも務めました。ただし、首相としての任期は短く、複数回にわたりいずれも1年以内に辞任しました。

晩年と受賞歴

彼の晩年は平和維持と君主制の擁護に尽力し、1904年には陸軍を退官しました。その功績により金羊毛勲章が授与され、また聖フェルナンド勲章を受けて生涯年金の対象となるなど、高い評価を受けました。さらに、1896年にはバレンシア市名誉市民にも選ばれました。彼は1915年5月30日にマドリードで亡くなり、翌日には聖イシドロ墓地に埋葬されました。

結論

マルセロ・デ・アスカラガ・パルメロは、軍人や政治家としてだけでなく、国の歴史の中で重要な役割を果たした人物として記憶されています。その多彩な経歴は、彼がただの軍人ではなく、政界でも有力な存在として名が知られたことを示しています。

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