マルセロ・バルボア

マルセロ・バルボア：アメリカサッカー界のパイオニア

マルセロ・バルボア（Marcelo Balboa, 1967年8月8日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身の元サッカー選手。センターバックとして、1990年代のアメリカサッカー界を牽引し、アメリカ代表としても輝かしい実績を残しました。現在は指導者、解説者として、サッカー界に貢献しています。

生い立ちと初期のキャリア

アルゼンチン移民の家庭に生まれたバルボアは、カリフォルニア州セリトスで育ちました。父親のルイスは、アルゼンチンでプロサッカー選手として活躍後、北米サッカーリーグのシカゴ・マスタングスでプレーしながら、マルセロを指導しました。ユース時代には、1986年のマクガイアカップ（U-19国内大会）で優勝。高校卒業後は、セリトスカレッジでアメリカンフットボールのプレースキッカーとしても活躍。サッカーでは、カリフォルニア南海岸地域の選抜選手に2度選出されるなど、多才ぶりを発揮しました。セリトスカレッジでは、彼の背番号「3」が永久欠番となっています。1988年には、サンディエゴ州立大学へ編入し、同大学のファーストチーム、翌年には全米のセカンドチームに選出されました。

プロとしてのキャリア

大学のオフシーズンには、ウエスタンサッカーリーグのサンディエゴ・ノーマッドでプレー。1988年にはリーグMVPを受賞しました。1990年にアメリカンプロサッカーリーグ（APSL）のサンフランシスコベイ・ブラックホークスでプロデビュー。その後、コロラド・フォクセス、メキシコのクルブ・レオンを経て、1996年にメジャーリーグサッカー（MLS）のコロラド・ラピッズに加入。ラピッズでは6シーズンに渡り、リーダーシップを発揮し続けました。2002年にメトロスターズへ移籍しましたが、怪我のため出場機会は限られ、同シーズン限りで現役を引退しました。1994年のワールドカップ、コロンビア戦でのバイシクルシュートや、2000年のコロンバス・クルー戦でのMLSベストゴールは、彼の代表的なプレーとして記憶されています。

アメリカ代表としての活躍

バルボアは、アメリカ代表として127試合に出場し、13得点を記録。1990年、1994年、1998年のワールドカップに出場し、ディフェンスの要としてチームを支えました。1988年のグアテマラ戦で代表デビューを果たし、1992年と1994年にはUSサッカー・アスリート・オブ・ザ・イヤーに選出。1995年には、アメリカ代表として初めて100キャップを達成しました。

引退後の活動

現役引退後は、サッカー解説者、指導者として活躍の場を広げています。2004年からは、古巣コロラド・ラピッズの理事に就任。ABC、ESPNなどで解説者を務め、2006年のワールドカップでは、デーブ・オブライエンと共演。ラジオ番組「From The Pitch」のパーソナリティや、NBCスポーツの北京オリンピックサッカー中継の解説者も務めました。現在は、スペイン語放送局テレフツラの番組「Contacto Deportivo」のゲスト解説者も務めています。また、2012年からは、モナーク高校の男子サッカーチームの監督として、後進の育成にも力を注いでいます。

マルセロ・バルボアは、アメリカサッカーの発展に大きく貢献した偉大な選手であり、引退後も様々な形でサッカー界に貢献し続けています。

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