マルティーノ1世 (シチリア王)

マルティーノ1世について

マルティーノ1世（Martino I）は、1374年頃に誕生し、1409年7月25日に亡くなったシチリア王です。彼はアラゴン王マルティン1世と王妃マリア・デ・ルナの子息であり、父と同名であるため、彼は「若マルティン」と呼ばれることもありました。彼の祖母であるレオノールは、アラゴン王ペドロ4世の3番目の王妃であったため、シチリア王ピエトロ2世との血縁関係を持っていました。

結婚と治世の開始

1390年、マルティーノは従姉にあたるシチリア女王マリアと結婚し、共同でシチリアを治めることとなりました。この結婚は彼の治世の基盤となり、1392年には彼とマリアが父である老マルティンと共に軍を引き連れ、シチリアを侵攻し、反抗する諸侯たちを打破しました。1396年、老マルティンはアラゴン王位を継承したものの、マルティーノとマリアはその後も協力してシチリアを治めました。

権力の掌握と結婚

1401年にマリアが亡くなるまで、マルティーノは彼女と共に治世を続けました。その後、マルティーノは1372年に結ばれたバルセロナ家とアンジュー家とのヴィルヌーヴ条約を無視し、独自の権力を持つ君主としてシチリアを統治し続けました。1403年には、のちにナバラ女王となるエヴルー家の王女ブランカ（ビアンカ）と再婚しましたが、どちらの結婚においても成人した子供には恵まれず、庶子としてルナ伯ファドリケがいたのみでした。

死去と王位継承

マルティーノ1世は1409年にサルデーニャのカリャリで亡くなります。彼の死亡後、父であるアラゴン王マルティン1世がマルティーノ2世としてシチリアを治めることとなります。しかし、1410年にはマルティン1世自身も他界することになり、マルティーノは先立たれて子供がいなかったため、王位の継承者が決定されるまでには約2年が必要でした。この事態は「カスペの妥協」として知られることになります。マルティーノ1世の生涯は、シチリアやアラゴン王国における権力闘争と政治的結婚の重要性を示しています。

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