マル勝ファミコン

勝ファミコンの歴史と特徴

『勝ファミコン』は、1986年に角川書店から創刊されたゲーム雑誌で、発行形態は月2回刊に設定されています。この雑誌は、ゲームを愛する読者に向けた多様なコンテンツを提供し、創刊当初から多くの人気を集めました。

創刊のきっかけとなったのは、当時の「コンプティーク」のあるコーナーが独立して生まれたことです。同時期に多くの雑誌が月刊形式で発行される中、競合する『ファミリーコンピュータMagazine』に対抗しながらも、定期刊行を続けました。

1987年には、原作：大塚英志、画：田島昭宇による『魍魎戦記MADARA』の連載が始まり、瞬く間にヒット作となりました。このことは、雑誌の影響力をさらに強めました。また、姉妹誌『コンプティーク』と同様に、読者が参加できるゲーム『ダブルムーン伝説』も連載されるなど、多くのファンの参加を促しました。

1990年には、スーパーファミコンの登場とともに、雑誌名を『マル勝スーパーファミコン』に変更しました。この改題によって、当時の新たなゲームハードに関する情報に特化した内容に進化を遂げました。さらに、他の雑誌が発行していた読者参加型のクーポン「ガバス」に対抗し、オリジナルキャラクター同士の勝敗を予想し予想者に特典を与える「MAC（Marukatsu Attack Card）」を導入するなど、工夫を凝らしました。

1992年には編集スタッフが独立し、新たに『電撃スーパーファミコン』を創刊しました。この変化により、『マル勝スーパーファミコン』の内容が一時的に低下し、多くの連載マンガやコーナーが終了する事態に直面しました。その後、雑誌は一部外部に編集を委託しましたが、雑誌の質を維持するのは難しく、執筆陣からはお詫びツールとして過去の過ちをカバーする不思議なお知らせが掲載されることもありました。

1996年には任天堂のハードから小・中学生向けにターゲットを変更し、『マル勝ゲーム少年』として改題されました。これにより、ゲーム雑誌を世代別に再編成する試みが行われました。しかし、新たな試みはすぐに終息し、この雑誌も1997年に休刊となります。

この雑誌のマスコットキャラクターには初期は「マント犬」が使用されていましたが、後に少女キャラクター「ルカ」が表紙に起用されるようになりました。「ルカ」は、1995年に発売されたスーパーファミコン用アクションゲーム『妖怪バスター ルカの大冒険』の主役としても知られています。

また、『勝ファミコン』の存在背景には、ライバル誌『ファミ通』との競争も影響しており、最終的には同じグループの一部としてエンターブレインが経営に関与する形になりました。2015年、ATLUSからの『世界樹と不思議のダンジョン』の発売に合わせて約23年ぶりに復活した号が、特集記事や原画集を含む内容でファンの注目を浴びることとなりました。

連載作品と参加型ゲーム

『勝ファミコン』では、様々な連載漫画が展開され、多くのファンに支持されました。代表的な作品には、\-『ドラゴンバスター』、\-『旅姿！夕日のマント犬』、\-『悠久の風伝説』、\-『魔神転生』などがあります。特に、『魍魎戦記MADARA』やその続編シリーズは、長期にわたって連載され、多大な影響を残しました。

また、参加型ゲームの企画も魅力のひとつであり、1990年代には『ダブルムーン伝説』や『ヒーローズ・ウォー』などのゲームが登場し、読者が自らストーリーを作り上げる事ができるといった体験が提供されました。これらの構想は、ゲームを楽しむだけでなく、創造性を発揮する場としても機能していました。このような試みを通じて、ファンと雑誌の絆を深めていくこととなります。

総じて、勝ファミコンはゲーム文化の発展に寄与し、ファンとのコミュニケーションを重視した先駆的な存在であったと言えるでしょう。

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