マークスマン級駆逐艦

マークスマン級嚮導駆逐艦

マークスマン級嚮導駆逐艦は、イギリス海軍が第一次世界大戦中に運用した嚮導駆逐艦の艦級です。この艦級は、高速化する駆逐艦部隊を率いるための旗艦として、従来の偵察巡洋艦に代わる存在として設計されました。ネームシップは「ライトフット」とされることもあります。

来歴

イギリス海軍は当初、水雷戦隊の旗艦として偵察巡洋艦を使用していました。しかし、駆逐艦の高速化が進むにつれて、これらの巡洋艦では艦隊行動への追随が困難になってきました。この問題を解決するため、高速駆逐艦のプロトタイプとして建造された大型の「スウィフト」が嚮導艦として改装されました。この経験を踏まえ、1913年8月には専用の嚮導艦の計画が開始されました。

海軍本部の戦時幕僚会議では、当初、トライバル級駆逐艦を基に、艦橋構造の拡大や長距離無線通信システムの搭載を施す計画が提案されました。しかし、第三海軍卿の指示により、1,800トン以内で33～34ノットの速力、4インチ砲4門とポンポン砲4門を搭載する艦が検討されることになりました。この結果、建造されたのがマークスマン級です。

設計

設計段階では、巡洋艦の延長線上として装甲の付与も検討されましたが、最終的には駆逐艦の大型化版として決定されました。機関部の構成は、おおむねアドミラルティM級駆逐艦と類似しています。4基のボイラーは3つの缶室に収められています。

艦砲は、従来の駆逐艦よりも1門多い、40口径10.2cm砲（QF 4インチ砲Mk.IV）を4門搭載しています。対空兵装としては、当初は29口径37mm高角機銃（QF 1ポンド・ポンポン砲）を予定していましたが、一部が地上部隊に配分されたため、43口径37mm高角機銃（QF 1.5ポンド・ポンポン砲）を搭載した艦もありました。その後、1915年に40mm高角機銃（QF 2ポンド・ポンポン砲）が制式化されると、順次換装されました。一部の艦では、さらに45口径7.6cm高角砲（QF 3インチ砲Mk.I）への換装も行われました。

水雷兵装は、従来の駆逐艦の装備を踏襲し、53.3cm連装魚雷発射管を2基搭載しています。

同型艦

1913-4年度計画では、当初3隻の建造が予定されていましたが、最終的に第1・3水雷戦隊向けの2隻のみが認可されました。第2水雷戦隊は比較的低速なエイコーン級駆逐艦で構成されていたため、偵察巡洋艦が、また第4水雷戦隊には「スウィフト」が配備されました。

1914-5年度計画では2隻が盛り込まれ、その後、1914年11月にはさらに3隻が追加されました。これらの艦は、それぞれが指揮する予定の水雷戦隊に所属する駆逐艦と同じイニシャルを持つ艦名が付けられました。

同型艦一覧

ケンペンフェルト（HMS Kempenfelt）
アブディアル（HMS Abdiel）
ガブリアル（HMS Gabriel）
イシュリエル（HMS Ithuriel）
ライトフット（HMS Lightfoot）
マークスマン（HMS Marksman）
ニムロッド（HMS Nimrod）

参考文献

ウィキペディア

関連項目

* ウィキメディア・コモンズには、マークスマン級駆逐艦に関するカテゴリがあります。

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