マーク・エルダー

マーク・エルダーは、1947年6月2日、イングランド北部のノーサンバーランド州ヘクサムで生まれました。彼はイギリスを代表する指揮者として、国際的な名声を確立しています。

エルダーは、1971年にロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団を指揮してデビューを飾りました。その後、イギリスを中心に活躍の場を広げ、特にイングリッシュ・ナショナル・オペラ（ENO）の音楽監督を務めた1979年から1992年までの期間は、彼のキャリアにおいて重要な時期となりました。ENOでは、総監督のピーター・ジョナスとの協力のもと、数々の意欲的なオペラ上演を実現させ、高い評価を得ました。この時期のENOは、革新的な演出と音楽解釈で注目を集め、エルダーの名声を高めることになりました。

1981年には、バイロイト音楽祭にデビューを果たし、ワーグナー作品の演奏においてもその才能を発揮しました。その後、コヴェント・ガーデン王立歌劇場やメトロポリタン歌劇場などの主要な歌劇場に出演し、オペラ指揮者としての地位を確立しました。また、ロンドンのプロムス音楽祭にも定期的に出演し、幅広いレパートリーを披露しています。

エルダーは、オペラだけでなく、管弦楽の分野でも精力的に活動を展開しています。1989年から1994年までロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務め、アメリカのオーケストラ界にも足跡を残しました。2000年からは、ハレ管弦楽団の音楽監督に就任し、20年以上にわたって同楽団の音楽的水準の向上に貢献しました。2024年に退任。

彼の指揮は、作品に対する深い理解と情熱に根ざしており、その音楽表現は常に聴衆を魅了します。イギリス音楽界における重要な存在として、今後もその活躍が期待されています。

参考文献
ONTOMO MOOK『世界の指揮者名鑑866』音楽之友社、2010年。
上地 隆裕著『世界のオーケストラ(1) ～北米・中米・南米編～』株式会社 芸術現代社、2015年。ISBN 978-4-87463-203-1。

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