マーティン・チバース

マーティン・チバース：栄光のフットボールキャリア

マーティン・ハーコート・チバース（Martin Harcourt Chivers、1945年4月27日 - ）は、イングランド・ハンプシャー州サウサンプトン出身の元サッカー選手です。ポジションはフォワード。

クラブキャリア

サウサンプトンFC

チバースは、地元クラブであるサウサンプトンFCでそのキャリアをスタートさせました。1963-64シーズンにはスタメンに定着し、21ゴールを記録する活躍を見せます。1965-66シーズンにはリーグ戦で30得点を挙げ、チームの1部昇格に大きく貢献しました。サウサンプトンでは公式戦190試合に出場し、106ゴールを記録しました。

トッテナム・ホットスパーFC

1968年1月、チバースは当時のクラブレコード、そしてイングランド国内最高額となる12万5000ポンドの移籍金で、ビル・ニコルソン率いるトッテナム・ホットスパーFCへ移籍します。しかし、移籍当初はジミー・グリーブスやアラン・ギルツェーンといった強力なライバルの存在もあり、出場機会は限られていました。1970年にグリーブスがウェストハム・ユナイテッドFCへ移籍すると、チバースはチームのエースストライカーとしてその才能を開花させます。1970-71シーズンには、公式戦58試合全てに出場し、34ゴールを記録。リーグカップ決勝では2ゴールを決め、チームを優勝に導きました。

1971-72シーズンにはリーグ戦で25得点、公式戦64試合で44ゴールを記録。UEFAカップ決勝ではウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCを相手に2ゴールを決め、優勝に大きく貢献しました。翌72-73シーズンも公式戦61試合に出場し、33ゴールを記録。2度目のリーグカップ制覇にも貢献しました。UEFAカップでは準決勝でリヴァプールFCにアウェーゴール差で敗れ、連覇を逃しました。

1973-74シーズンには、3年連続でUEFAカップの準決勝に進出。準決勝では東ドイツのロコモティフ・ライプツィヒを相手に2ゴールを決め、2年ぶりの決勝進出に貢献しました。しかし、決勝ではフェイエノールト・ロッテルダムに敗れ、準優勝に終わりました。1974-75シーズン途中にニコルソン監督がトッテナムの監督を辞任。監督交代によるチームの不調、自身の怪我、クリス・ジョーンズら若手の台頭などにより、出場機会とゴール数を減らし、1976年にナツィォナール・リーガAのセルヴェットFCへ8万ポンドの移籍金で移籍しました。

トッテナムでの8年半のキャリアで、チバースは367試合に出場し、174ゴールを記録しました。この記録は、2019年にハリー・ケインに抜かれるまで、ジミー・グリーブスとボビー・スミスに次ぐクラブ歴代3位の記録でした。また、2013年にジャーメイン・デフォーに抜かれるまで、UEFAの大会で最もゴールを決めたトッテナムの選手でした。

セルヴェットFC

セルヴェットFCでは、2年間でリーグ戦33得点を記録。1976-77シーズンにスイス・リーグカップ、1977-78シーズンにスイス・カップ制覇に貢献しました。1977-78シーズンには、リーグの最優秀外国人選手に選ばれました。

その後

1978年にイングランド国内に復帰し、ノリッジ・シティFCに加入。その後、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCやオーストラリア、ノルウェーのチームを経て、1983年に現役を引退しました。

イングランド代表

1971年、チバースはサッカーイングランド代表で初キャップを記録しました。1973年までに24キャップで13ゴールを記録しましたが、代表チームが1974 FIFAワールドカップ予選で敗退したため、ワールドカップに出場することは叶いませんでした。

タイトル

トッテナム
リーグカップ: 1970-71, 1972-73
UEFAカップ: 1971-72

セルヴェット
スイス・カップ: 1977-1978
スイス・リーグカップ: 1976-77
コッパ・デッレアルピ: 1975-76
スイスリーグシーズン最優秀外国人選手: 1977-78

もう一度検索