マーヴル・スーパーヒーローズとは？意味をやさしく解説

マーヴル・スーパーヒーローズ

『マーヴル・スーパーヒーローズ』（MARVEL SUPER HEROES）は、1995年 9月にカプコンがアーケード向けにリリースした2D対戦格闘ゲームです。CPS-2基板を採用し、マーヴルコミックのクロスオーバー作品『インフィニティ・ガントレット』をベースに、前作『エックスメンチルドレンオブジアトム』の続編として制作されました。後にセガサターンやPlayStationにも移植され、現在では『マーベルVSカプコンファイティングコレクションアーケードクラシックス』でも遊ぶことができます。

ゲームシステム

本作は、マーヴル世界のヒーローとヴィランが、無限の力を秘めた「インフィニティ・ジェム」を巡って激突する物語です。前作『X-MEN』のド派手な演出はそのままに、ゲームシステムがより洗練されています。

エリアルレイヴ

特に注目すべきは、相手を空中に打ち上げて追撃する「エリアルレイヴ」です。このシステムは、後の『MARVEL VS. CAPCOM』シリーズにも受け継がれ、シリーズの方向性を決定づけました。ただし、永久コンボが多数発見されるなど、対戦バランスには課題が残りました。

スーパージャンプ

高さ2画面分にも及ぶスーパージャンプは、エリアルレイヴの重要な要素です。

キャラクター特性

前作ではゲージを消費していたウルヴァリンの「ヒーリングファクター」や飛行能力などが、本作ではコマンド入力のみで発動可能になり、より戦略的なプレイが楽しめます。

インフィニティ・ジェム

原作に登場するインフィニティ・ジェムは、ゲーム中ではキャラクターの能力を一定時間強化するアイテムとして登場します。各ジェムは固有のコマンドで使用でき、キャラクターごとに得意なジェムが存在します。

- パワー：攻撃力アップ、削り効果追加
- タイム：移動速度アップ
- スペース：スーパーアーマー付与
- リアリティ：対応する飛び道具を同時発射
- ソウル：体力自動回復
- マインド：インフィニティゲージ自動増加

インフィニティ・ゲージ

攻撃や被弾で溜まるインフィニティ・ゲージを消費することで、強力な必殺技「インフィニティ・スペシャル」や、ガード中に反撃できる「インフィニティ・カウンター」を発動できます。ゲージストック数はキャラクターごとに異なります。

2Pカラー

2Pカラーは、マーヴルの意向により1Pカラーからの大幅な変更はありませんが、アイアンマンのシルバーセンチュリオンアーマーや、ハルクのグレイハルクといった配色が用意されています。マグニートーの黄色を基調としたカラーは、カプコンのスタッフも許可が下りるとは思っていなかったそうです。

ストーリー

かつてヒーローたちに倒されたサノスが、死の女神デスの力で復活。インフィニティ・ジェムを手に入れ、全人類の半数を抹殺しようとします。ヒーローたちはこの危機を阻止するため、サノスの宮殿へと向かいます。

登場キャラクター

キャプテン・アメリカ、ハルク、アイアンマン、スパイダーマン、ウルヴァリン、サイロック、ジャガーノート、マグニートー、ブラックハート、シュマゴラス、ドクター・ドーム、サノスといった、おなじみのキャラクターたちが登場します。隠しキャラクターとして、カプコンの『ヴァンパイア』シリーズからアニタが参戦します。

開発秘話

アメリカで人気のX-MENだけでなく、日本でも知名度の高いスパイダーマンやハルクなどを登場させるため、『インフィニティ・ガントレット』がベースに選ばれました。キャラクター選考では、知名度よりも見た目の分かりやすさが重視された結果、原作に登場しないサイロックやシュマゴラスが選ばれています。

評価

海外では高い評価を得ましたが、日本ではそれほどヒットしませんでした。開発チームは、マーヴルからの厳しいチェックに苦労したものの、制作したキャラクターのクオリティは高く評価され、特にスパイダーマンの動きは「あらゆるメディアの中で一番凄い」と絶賛されました。

移植版

セガサターン版とPlayStation版が発売されましたが、アーケード版と比較してアニメーションパターンが削減されています。セガサターン版は拡張RAMカートリッジに対応しており、使用することでより滑らかな動きを実現できます。

2012年には、本作と『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』をカップリングした『Marvel vs. Capcom Origins』が配信されましたが、カプコンとマーベルの契約終了に伴い、現在は配信を終了しています。

マーヴル・スーパーヒーローズ